2019 Fiscal Year Research-status Report
品質工学の判別尺度による多変量データの識別性の検討と品質管理への応用
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19K04891
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
矢野 耕也 日本大学, 生産工学部, 教授 (30514153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 尚登 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (90207788)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 品質工学 / 多変量解析 / MTシステム / SN比 / パターン認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、品質工学の手法であるMTシステムと、評価尺度の1つであるSN比を用い、識別力の高い新たなパターン認識の手法を探索することにある。ばらつき(不規則性)の尺度であるSN比が、規則性すなわちパターンを表す尺度になる可能性があることが検討課題として挙げた理由である。 規則性や不規則性は、SN比のNに相当するNoise情報を中心に表現が可能であるが、同時にSに相当するSignal情報にも注目をし、Signal情報の大小の規則性と不規則性も利用可能であることを見出すことができている。 まず最初は識別が容易でない医学データ(臨床データ)に対象として病態の識別を行うことい焦点を当てた。研究分担者の専門分野を考慮し、医学データのうち、消化器・肝臓内科に関する生化学的データを中心に、研究分担者所属機関からのサンプリングの計画を行った。ただし医学データであるため、東京慈恵会医科大学ならびに日本大学の両機関の倫理審査を受け、承認許諾を得ることが研究開始の条件となった。そのため、2019年秋以降に東京慈恵会医科大学における倫理審査を開始し、同年12月から日本大学における倫理審査も行い、2020年に両機関から許諾可の審査結果を得ている。 以上のように、初年度は目的のデータを得るための法的な手続きが中心となってしまい、顕著な結果をあげることはかなわなかったが、2020年度以降にデータを入手出来たら、解析に取り掛かる予定である。 なお当初予定していた解析のための医学データ等の情報探索のための旅費は、上記研究分担者より入手が可能となり、別途のサンプリングは殆ど不要になることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
言い訳めくが、医学データを取得する場合、研究に関係する全員の倫理審査が必要になり、またその基準は厳格であることと、所属機関ごとに別途倫理審査委員会の審査が必要となるために時間を要することになり、2019年度はほぼそのプロセスに時間を費やすことになった。 研究におけるデータ分析や解析手法については若干遅れているといわざるを得ないが、データ入手以降は通常の速度で進むことが期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
入手した医学データの状態によるが、2バイト文字の1バイト化などの前処理、性別等の訂正情報のコード化処理を行い、以下の手法により解析を試みる。 (1)MTシステムのうちのRT法によるマハラノビスの距離による評価 (2)単位空間データが1つの場合の標準SN比による解析評価 (3)感度βの調整を考慮したSN比による解析評価 特に(2)および(3)により、識別検討を行う。 またデータのサンプル数にもよるが、従来の手法との比較も可能であれば実施を行うものとする。
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Causes of Carryover |
(1)データ探索作業が不要となったことから、旅費分を消耗品等ないし論文投稿料に回すものとしたい。(2)解析ソフト、データスキャナー等の画像解析やデータ分析のツールを中心に使用する。(3)医学関係の論文投稿費用に適用をする。
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