2021 Fiscal Year Research-status Report
Empirical data analysis and modeling of the emergence of supply network complexity with a specific focus on firms' strategies of diversification and exploration/exploitation
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19K04893
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
鬼頭 朋見 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (50636107)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | サプライチェーン / 多角化 / 戦略 / 時系列データ / ネットワーク科学 / 自動車産業 / ポートフォリオ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、複雑な企業間サプライネットワークの構造がいかに創発するのか、その原理を追究することを目指している。そのために、企業の多角化・集中戦略に着目している。 昨年度までに、自動車部品サプライヤ企業の実データを収集・整理し、製造ポートフォリオの多角化・集中戦略と、顧客リストの多角化・集中戦略の両者を統合的に測る指標を提案した。この指標を用いて、サプライヤの多角度と生存の関係性について定量分析を行った。この過程で、関連多角化・非関連多角化を指標化する必要性が明らかとなったため、本年度は新たな指標の設計及びそれを用いた実データ分析を進めた。 関連度を指標に組み込むため、生態学で提案されている、種の多様性を測る指標を応用展開した。このアプローチにより、サプライヤの多角化度をより詳細かつ多元的に分析できることが分かってきた。 今年度の成果は、国際会議で一度発表したが、まだ論文として投稿するに至っていない。その理由は、国際会議後、新たな分析手法に着想したため、その分析を実施する必要があると考えているからである。この作業を進め、投稿論文を執筆する計画を立てているのが現状である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新たな指標提案を実現そうである(少なくとも、完成させられる目処が立ってきた)ため、本課題終了までに、本研究分野に十分な貢献ができると考えている。一方で、感染症拡大の影響により、海外研究者との直接のディスカッションや実地調査によるデータ収集などが全くできず、当初の目的とは異なる方向に軌道修正する必要があり、それに労力を取られてしまった。当初目的にしていたモデリングにはまだ到達しておらず、できればなんとかモデリングの基盤作りは行いたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
新たな指標を用いた実データ分析を完成させ、その結果に基づく学術論文の執筆・投稿を実現する。 その上で、成果を元に、サプライヤの戦略同士がいかに相互に重なり合い、全体としてサプライネットワークの複雑性を形成しているのかについて、モデリングをしたいと考えている。その方法についてはまだアイディアが固まっておらず模索中であるが、今後は関連研究者との議論も積極的に進め、少なくともモデリングの基盤を構築するところまで本課題終了までに実現したい。
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Causes of Carryover |
感染症拡大の影響により、国際会議や国際共同研究、実地調査のための渡航が全くできなかったため。 またその影響で、研究の方向性を修正する必要があったため。
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