2020 Fiscal Year Research-status Report
メカニズムデザイン理論に基づき情報の価値を決定し高機微個人情報の流通を促す手法
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19K04895
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Research Institution | Sendai National College of Technology |
Principal Investigator |
高橋 晶子 仙台高等専門学校, 総合工学科, 准教授 (10537492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅沼 拓夫 東北大学, サイバーサイエンスセンター, 教授 (70292290)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | エージェント / メカニズム / 高機微情報 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,スマートウォッチに代表されるウェアラブルデバイスなどのセンサなどにより収集される機微度の高い個人情報(高機微個人情報)を対象とし,これらの情報を自分自身のデバイスで獲得し提供する個人ユーザ(データ提供者)と,その情報を収集・分析して目的を達成しようとする企業等(データ収集者)の間で,情報を効果的に流通するための枠組みを確立することを目指すものである.これを達成するために,以下の3つの研究項目を推進している.(1)高機微情報流通におけるメカニズムデザイン理論を用いた自動合意形成手法の開発:高品位の高機微情報のデータ提供者である優良ユーザがデータ提供行為を行う誘因となるインセンティブを定義し,その付与の基準となる「情報の価値」決定の合意形成をする交渉モデルを構成. (2)マルチエージェントに基づく高機微情報価値決定システムの開発:エージェント群が稼働するマルチエージェントシステムを構成し,その上で(1)の交渉モデルに基づきエージェントが動作する高機微情報価値決定システムを構築. (3)(1), (2)の成果に基づきヘルスケア情報価値決定システムの開発:高機微情報としてヘルスケア情報に着目し,その流通を支援するヘルスケア情報価値決定システムを構築. 2年目である今年度は,交渉時に人間の介入を可能としたソフトウェアエージェント間の自動交渉により,データ提供者とデータ収集者双方の意思を反映した便益の決定を行う,利用者指向な情報流通手法の検討を行った.また,人間が自動交渉に介入する際に,感情などにより非合理的な判断をする人間の性質限定合理性が引き起こす問題を,第三者エージェントによって改善する枠組みについても検討を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の流行により,思うように研究活動を行うことができなかったため,若干の研究の遅れが生じた.
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Strategy for Future Research Activity |
開発等に研究協力者などをあてることで,実装や実験にかかる時間を短縮し,研究の遅れを挽回させる予定である.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響で,予定していた出張などがなくなったため,次年度使用額が生じた.実験環境をより充実させて研究を推進する.
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