2019 Fiscal Year Research-status Report
Towards online fault management techniques for software aging phenomena
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19K04905
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
土肥 正 広島大学, 工学研究科, 教授 (00243600)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ソフトウェア老化 / ソフトウェア若化 / 統計モデル / 耐故障技術 / 若化スケジュール / オンライン適応予測 / 最適化アルゴリズム / クライアントサーバシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では, ソフトウェア老化現象に起因する複数のコンピュータリソースを監視し, ソフトウェアの老化現象を同定・検出した後に予防保全若化スケジュールを生成するオンライン予測・制御技術を世界に先駆けて開発する. 本研究の特徴は, 単純なリソース消費予測によるソフトウェア性能の低下現象を記述するだけに留まらず, 性能低下とシステム障害の発生の因果関係を記述する高水準確率モデルを開発することである. システムの故障率を複数のシステムリソース指標から構成される多次元確率過程の関数として表現し, 故障率をシステムリソースの時系列データから矛盾なく推定するための統計的方法を提案する. 多次元データをオンラインで観測しながら実時間内に推定を行うためには, 各種データマイニングの技法や最適化技法を適用する必要がある.
老化現象の統計的な性質を支配する故障率に特定のモデルを仮定することのないノンパラメトリックな環境の下で, 複数のシステムパラメータに対する時系列データからシステム可用性を最大にする最適若化スケジュールを適応的に生成することである. 初年度は機械学習アルゴリズムの中でももっとも単純な方法は強化学習アルゴリズムを導入したソフトウェア若化スケジュールのオンライン適応アルゴリズムの研究を行った。特に、マルコフ決定過程として定式化されるモデルに Q-学習を適用した単純なモデルや、ダイナミックボルツマンマシンを強化学習に適用した斬新な方法について理論的な検証を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1995年から2019年までの四半世紀の間に世界中で発表された文献を調査し、ソフトウェア老化やソフトウェア若化を同定するための数理技法および実証研究の成果を整理した。この準備については科学研究費の申請前から行っており、その概要は編集本 Handbook of Software Aging and Rejuvenation, T. Dohi, K.S. Trivedi and A. Avritzer (eds.), World Scientific Publisher, 2020 で世界に向けて発信された。これより、従前までに行われていた若化スケジューリングアルゴリズムの問題点を多角的に理解することができ、ボルツマンマシンを時系列データの予測に適用しながら決定問題を解くという発想を得るに至った。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、 多次元ウェーブレット解析, 多変量隠れマルコフモデル, 確率近似(Kiefer-Wilfowitz タイプ近似, Robbins-Siegmund タイプ近似)を組合わせることで, これまでに提案されていない全く新しいオンライン適応予測アルゴリズムを提案することを検討している. これまでに申請者らによって提案されてきたマルコフ再生過程 (Markov Regenerative Process) モデルや隠れマルコフモデルをさらに拡張し, 複数のシステムパラメータの情報をメトリックに集約し, 同時に将来におけるソフトウェア若化時刻列を予測しながら適応的若化スケジュールを逐次変更する方法についても検討する予定である。これにより、システムの動作を停止することなく自動的に将来の若化時期をシステム側に提示することが可能となる.
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