2020 Fiscal Year Research-status Report
ワークライフバランス支援のための技術・技能・健康のコミュニケーションデザイン
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19K04909
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
滝 聖子 千葉工業大学, 社会システム科学部, 教授 (50433181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 哲男 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (90334581)
石垣 綾 東京理科大学, 理工学部経営工学科, 教授 (50328564)
藤田 恵理 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (50466877)
高野倉 雅人 神奈川大学, 工学部, 准教授 (00333534)
ウ アテイ 北見工業大学, 工学部, 助教 (30821962)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 経営工学 / ワークライフバランス / 技術・技能伝承 / 健康科学 / 作業研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は,多様な家族のワークライフバランス実現のために,各家族のストレスを軽減し,心身が健康な状態でのコミュニケーション支援を目指して,技術・技能・健康のコミュニケーションデザインに関する研究を行い,以下の成果を得た. ①家族(夫婦)の心と体のデータ調査・分析:心(精神的ストレス)の調査・分析を行うために,主観評価による職業性ストレスアンケートおよび育児ストレスアンケート等を実施した.収集した心(精神的ストレス)のデータの一部については統計的分析を行い,母親の育児と仕事における精神的ストレスの特徴を明らかにした.また,体(ライフログ・作業)の調査は,スマートウォッチおよび身体活動量計等を用いて,生活や家族形態の多様な被験者を対象に実施した. ②家庭・仕事のワークの分析および課題抽出:「家庭・仕事のワーク(作業)」に関連して,並行作業における作業負荷や作業の種類と順序の影響について,主観評価法および生体情報計測を用いて調査し,それぞれの特徴や傾向を明らかにするとともに課題を抽出した.また,「仕事のワーク(作業)」に関連して,オーダーピッキング作業を対象としたレイアウトの分析や高年齢作業者の確保のための研究を実施した.さらに,「仕事のワーク(作業)」の内容や勤務形態に伴う課題(夜勤業務担当の職員は精神的ストレスが高い傾向がある等)を抽出し,必要な支援策を検討した. ③成果発表および情報収集:得られた研究成果については,複数の論文誌に投稿し,5編が掲載された.また,研究成果の一部は,国際会議(IIAI-AAI 2020,NEDSI 2020)および国内学会(日本設備管理学会,日本システムデザイン学会)で発表した.特に,日本設備管理学会春季研究発表大会では「ワークライフバランス&ヘルスケアとCSR」のオーガナイズドセッションを組織し,国内の研究動向についての情報収集を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は,多様な家族のワークライフバランス実現のために,各家族のストレスを軽減し,心身が健康な状態でのコミュニケーション支援を目指して,技術・技能・健康のコミュニケーションデザインに関する研究を行っている.2020年度は,①家族(夫婦)の心と体のデータ調査・分析,②家庭・仕事のワークの分析および課題抽出に関する研究を実施した.これらの成果の一部は,複数の論文誌および国際会議等で発表している.また,2021年度の国際会議等で複数の発表を予定しており,論文誌への論文投稿も予定している.以上のように,2020年度までの研究実施計画をほぼ達成できており,おおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度も,2020年度までに引き続き,多様な家族のワークライフバランス実現のために,各家族のストレスを軽減し,心身が健康な状態でのコミュニケーション支援を目指して,技術・技能・健康のコミュニケーションデザインに関する研究に取り組む. ①家庭・仕事のワークの分析および課題抽出:2020年度までに収集した心(精神的ストレス)と体(ライフログ・作業)のデータを,「家庭のワーク(家事・育児・介護などにおける作業)」と「仕事のワーク(作業)」に分類して,心と体の健康を数値的に示すための指標を作成して統計的分析を行い,家庭と仕事における技術・技能(コツ)を抽出する.そして,ワークライフバランス支援のために必要なコミュニケーションの課題を抽出する.必要に応じて,心と体のデータ収集を追加して行う. ②ワークライフバランス支援モデルの設計および支援ツールの開発:抽出した要因(コツやコミュニケーションの課題等)を用いて,ワークライフバランス支援モデルを設計する.多様な家族の健康と生活の質(QOL)の向上を実現するための改善・支援案を検討し,健康科学に基づく支援ツールの開発を試みる. ③情報収集および成果発表:関連する国内外の研究動向についての情報収集を行う.また,得られる研究成果については,国内学会・国際会議および論文投稿により,研究成果を発表する.
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大の影響により,2020年度に予定していた複数の成果発表および調査のための出張やデータ収集が中止や延期になったため,次年度使用額が生じた.中止および延期になった成果発表や調査,データ収集のために使用する予定である.
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