2021 Fiscal Year Research-status Report
幼児の動的挙動を再現するための理論モデルに関する研究
Project/Area Number |
19K04923
|
Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
大田 慎一郎 岡山県立大学, 情報工学部, 准教授 (90550393)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 幼児 / 振動 / ベビーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,ベビーカー乗車時における幼児の動的挙動を再現するための理論モデルの確立を目指している.これを実現するため,走行時にシートから伝達され る振動時の幼児の挙動を測定実験に基づき把握し,最小限の自由度で挙動を表現可能な理論モデルの構成を実施する. 2019年度は幼児-ベビーカー系の走行実験から2~3才児を対象として4名程度の三次元の動的挙動を把握し,二次元の理論モデルの数値解析と測定実験の結果を比較し,振動現象の把握を行った.2020年度は,二次元の理論モデルを,三次元の過渡現象と共振現象を再現可能な理論モデルへ構築するため,ラグランジュ方程式に基づき定式化を行った.この理論モデルにおいて,頸部,腰部等の関節部のモデル化が重要であり,モデル化を実施するためには振動入力時の動的なパラメータを推定する必要があった.そのパラメータ推定において測定実験のデータベースに基づき構築する必要があり,ベビーカー走行の追加実験を予定していたが,2020年度は実施することが困難であった.2021年度は,既存のデータを用いて上記の関節の動的なパラメータに基づき理論モデルを構築し,理論結果と測定実験結果を比較し,妥当性を検証した.その結果,測定結果と比較し,上下・前後方向に関して理論解析結果の妥当性を確認した. 2022年度は,左右方向において理論解析と測定実験結果を比較することで,最終的に「パラメータの信頼度が高い小自由度の理論モデルで幼児の動特性で どの程度再現できるのか」を検討する予定である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度,2021年度の測定実験の遅れにより,進行方向も対する幼児の左右方向運動の理論解析の構築や測定実験との妥当性検証が遅れている.したがって2022年度へ延長して,研究目的を達成する予定である.
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度は,左右方向において理論解析のための幼児の関節パラメータの同定を測定実験データに基づき実施する.この関節部の特性を明らかにすることで,幼児の理論モデルが構築できる. さらに,理論モデルの自由度を変更し,測定結果と比較することで,最終的に「パラメータの信頼度が高い小自由度の理論モデルで幼児の動特性でどの程度再現できるのか」を検討する予定である.
|
Causes of Carryover |
2020,2021年度は社会情勢等により,大学への立ち入り制限により測定実験や出張の中止により講演会での発表が予定通りに実施することができなかったため. 2022年度は社会情勢が戻り次第,測定実験の開始や講演会への参加を実施する予定である.
|