2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K04935
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
早坂 昇 大阪電気通信大学, 情報通信工学部, 教授 (50554573)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 悲鳴検出 / 悲鳴強調 / 深層学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,実環境下でも高い認識精度を達成することができる悲鳴検出システムを構築すること,および,当該技術をモバイル端末に実装し様々な場シチュエーションで利用可能にすることである.それらの目的を達成するため,昨年度は,周囲の環境雑音だけではなく,悲鳴と類似する音(類似音)も分離する2-stage Wave-U-Netについて検討し,類似音を含む様々な雑音環境下でのシミュレーションにより,その有効性を示した.一方,2-stage Wave-U-Netは従来よりもパラメータ数が増大し,モバイル端末への実装において大きな課題となっていた. その点を鑑み2023年度では,2021~2022年度に実施した環境雑音分離ネットワーク層数の削減に関する知見を踏まえ,類似音分離ネットワークにおける層数の削減に取り組んだ.悲鳴は高い基本周波数を持つ点において環境雑音と大きく異なるため,環境雑音分離ネットワークは少ない層数であっても高い分離性能を達成することができた.一方,類似音は悲鳴と同様に高い基本周波数を有するため,同程度の層数では十分な分離性能を得ることができなかった.しかしながら,2021~2022年度に実施した層数削減を導入することにより,当初モデル(通常のWave-U-Net)と比較し,2-stage Wave-U-Netのパラメータ数は約1/3程度に抑えることができ,Raspberry Pi 4 model Bでもリアルタイムで悲鳴強調が可能であることを確認した. 現状では,入力信号に対し上述の悲鳴強調および悲鳴検出処理を常時実行しているため,スマートフォンのアプリケーションとして提供した場合,消費電力が大きな問題となる.そのような応用を検討する場合は,その他のセンサ情報を利用するなどして,低消費電力化を図る必要がある.
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