2019 Fiscal Year Research-status Report
多様な障害物を考慮した閉鎖空間における複雑気流場の実用的換気解析モデルの開発
Project/Area Number |
19K04942
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Research Institution | National Institute of Maritime, Port and Aviation Technology |
Principal Investigator |
木村 新太 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (30582556)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 泰資 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 准教授 (10240764)
岡 秀行 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (80399518)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 質量保存流速場モデル / 換気解析 / 後流 |
Outline of Annual Research Achievements |
自動車運搬船やカーフェリー等の車両区域における換気流場は、ガーダーやウェブ等の船体構造や、積載車両等の障害物によって複雑な気流性状となる。本研究では、このような障害物の影響を考慮した車両区域における実用的な換気解析モデルを開発するとともに、当該モデルに必要不可欠な物体回りの渦流れ場に関する代数モデルの開発を行っている。 令和元年度の実績として、まず、Fortran90言語を用いて換気解析モデルの根幹である質量保存流速場モデルの計算コードを作成した。次に、一様な気流が流れる風洞内の地面に立方体の物体が1つ設置された場合に形成される物体まわりの渦流れ場について、物体の全面、上面、背面の渦に関する代数モデルを組み込んで作成した計算コードによる数値解析を行った。得られた解析結果は、既往の実験やCFDモデルの計算結果と比較し、本計算コードは良好な解析結果が得られることを確認した。 次に、ミュンヘン工科大学によって開発された自動車の一般モデルであるDrivAerモデルを解析対象としてCFDモデルによる数値解析と、本研究の解析モデルによる数値解析を行い、結果の比較を行った。なお、本研究の解析モデルには従来、都市部の気流場解析に用いられる建物まわりの後流の代数モデルと、車両の後流に関するモデルの2種類をそれぞれ組み込んだ。その結果、前者の建物まわりの代数モデルでは物体近傍の双子渦状の流れを再現したが、後者の車両の代数モデルでは再現しなかった。今後は、風洞模型による車両まわりの流れ場計測を行い、速度場データの解析結果から代数モデルの改良を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、数値解析モデルの根幹となる計算コードのベース部分の開発が順調に進んでおり、物体モデルデータの取り込みや、種々のポアソンソルバーの組み込みが完了した。さらに、車両回りの流れ場に関する試計算と3次元CFDモデルによる計算結果との比較を実施し、計算コードに問題が無いことを確認できている。一方、風洞模型による物体まわりの流れ場計測がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、本解析モデルの計算コストの大部分を占めるポアソン方程式を数値的に解くルーチンに関して、高速な解析アルゴリズムを組み込むことで実用性の改善を行っていく。また、風洞模型による流れ場計測に重点を置いて取り組むとともに、計測結果に基づく代数モデルの改良を行っていく。
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Causes of Carryover |
数値解析モデルの開発に注力して研究を実施したため、次年度使用額を生じている。令和2年度の助成金と合わせて残額は風洞模型の作成等に使用することを予定している。
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Research Products
(1 results)