2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K04950
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田中 俊昭 九州大学, 工学研究院, 助教 (90294892)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 土砂災害 / 地下水 / 比抵抗 / MT法 / 探査装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
急傾斜地などで発生する土砂災害は、地盤中の地下水の増加が原因の一つとして知られている。地下水の分布は、観測孔に設置した地下水位計などにより測定されることが多い。しかし、広範囲な地下水位変化をモニタリングするためには、多数の観測孔が必要になり、コストと労力が必要になる。 そこで、地下水の分布によって変化する地下の比抵抗分布を測定し、地下水分布を推定する。比抵抗分布を測定する手法として、地球磁場の変動によって誘導される地電流を利用した受動的な方法であるMT (Magnetotelluric) 法を採用する。地下水分布を比抵抗分布により精度良く把握するためには、地表で多点の測定が不可欠である。しかし、MT法の探査装置は一般に高価であり、多数の探査装置を同時に利用することは困難である。そのため、多くの場合、限られた数の探査装置を移動しながら測定する。 本年度は、安価で小型のMT法探査装置に必要な要素技術の開発に重点を置き研究を行った。 地盤に含まれる地下水が土砂災害を発生させるほどに増加する条件を想定し、地盤の比抵抗値とMT法で測定される電場と磁場の強度を、3次元比抵抗シミュレーションを用いて推定した。その結果に基づき、開発する小型MT法探査装置の仕様を決定し、プロトタイプのMT法探査装置を試作した。試作した探査装置を使用して、室内と野外で動作試験を行った。電場と磁場を精度良く測定するために、内蔵する測定制御プログラムに複数回改良を加えて測定精度を比較した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小型MT法探査装置のプロトタイプ試作機を設計し、開発した。室内実験と野外実験で動作試験を行い、電場2成分と磁場3成分の同時測定ができた。特に磁場の測定では大型のインダクションコイルを高感度な半導体磁場センサに変更し大幅な小型化ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
高精度な測定を目的に高感度な磁場センサを採用すると、微弱なノイズを測定してしまう。 わずかな比抵抗変化を測定するために電場と磁場を精度良く測定するためには、耐ノイズ性を向上させることが重要である。特に都市部では、商用周波数帯をはじめとした電磁ノイズが大きいことが予想される。 そこで、測定の高精度化を目指して、都市部での電磁ノイズの特性を評価したうえで適切なノイズ低減回路やデータ処理法を開発する。 異なる条件の室内実験や野外実験を行い、探査装置の測定精度の評価を行う。
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Research Products
(3 results)