2019 Fiscal Year Research-status Report
災害時の建築強化のための絶対時刻同期デジタルセンシング・マルチモーダル分析基盤
Project/Area Number |
19K04963
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
倉田 成人 筑波技術大学, 産業技術学部, 教授 (00416869)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 時刻同期 / デジタルセンシング / マルチモーダル分析 / チップスケール原子時計 / 地震観測 / 構造ヘルスモニタリング / IoT / 映像 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度では、カメラ、デジタル型高精度加速度センサを利用可能な異種デジタルセンサ型絶対時刻同期モジュールを開発・製作した。まず、センサモジュールに、チップスケール原子時計の計時精度を用いて、計測データにタイムスタンプを付与し、高精度絶対時刻同期機能を実現するメカニズムを実装した。チップスケール原子時計の高精度な時計は計時精度が高すぎるため、タイムスタンプの付与をセンサモジュールのCPUで行うと追随することができない。そのため、タイムスタンプの付与専用の集積回路(FPGA)を用意した。デジタル型加速度センサの絶対時刻同期では、デジタル処理に必要な時間を補正しながら、センサ出力にタイムスタンプを付与し、保存することとした。センサモジュールを3台製作し、これらを振動台に装着して、同じ振動を与え、各モジュールで計測したデータのフーリエ位相スペクトル比を比較することで、各モジュールの時刻同期機能を確認した。さらに、開発したモジュールには、時刻同期性能の検証用に外部アナログ入力端子も用意し、振動台試験を行い、検証用に接続したアナログ型加速度センサによる計測結果と比較することで、絶対時刻同期性能を確認した。カメラの絶対時刻同期では、開発した異種デジタルセンサ型絶対時刻同期モジュールにデジタルインプットのインタフェースを増設し、カメラを接続できるようにした。カメラによる出力に、内蔵デジタル型加速度センサの出力と同期してタイムスタンプを付与する機能を追加し、検証方法を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究では、カメラ、デジタル型高精度加速度センサを利用可能な異種デジタルセンサ型絶対時刻同期モジュールの開発・製作を進めている。当該年度では、チップスケール原子時計を利用した絶対時刻同期機構をモジュールに実装し、搭載したデジタル型加速度センサと、外部入力による計測性能及び時刻同期性能を確認した。さらに、別途デジタルインタフェースを用意しカメラセンサを接続して、時刻同期機能の検証方法を確立した。当初の予定では、限られたカメラセンサのみを扱う予定であったが、トリガー動作可能な多種類のカメラによる動作確認を追加し、より研究目的と合致したシステム構成を行うことが可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、初年度に開発・製作した異種デジタルセンサ型絶対時刻同期モジュールによるデータ取得と時系列マルチモーダル分析を行う。モジュールを設置した建築物において、地震時のデータを取得し、設置個所の加速度データにより振動を検知するとともに、映像データにより、時系列に沿ってどのような事象が起こったのかを分析する基盤を開発する。
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Causes of Carryover |
2019年度に実施した、様々なセンサを接続可能とするモジュールの拡張が、システムの簡素化により想定より安価に済み、研究費に余剰が生じた。2019年度に実施できなかったカメラセンサのデータ取得の精度向上を、2020年度に実施する際に使用する。
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Research Products
(2 results)