2019 Fiscal Year Annual Research Report
仮想放射線測定システムを用いた実働訓練に対する効果的活用法の開発
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19K04980
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Research Institution | National Research Institute of Police Science |
Principal Investigator |
土屋 兼一 科学警察研究所, 法科学第二部, 主任研究官 (90447920)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石垣 陽 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 特任准教授 (50723350)
植原 啓介 慶應義塾大学, 環境情報学部(藤沢), 准教授 (30286629)
盛武 敬 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 准教授 (50450432)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 災害対応 / 核セキュリティ / テロ対策 / 訓練 / スマートフォン / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、我々の開発している教育・訓練用仮想放射線測定システム「USOTOPE(ウソトープ)」を改良し、これを特殊災害全般に拡張し、災害対応訓練におけるシナリオ作成から実動訓練、脅威に対する能動的態度の確立、セキュリティ文化の醸成まで昇華させることを目的とする。USOTOPEは、放射線源に見立てたビーコンの電波強度をスマートフォンで測定し、擬似的にサーベイメータの表示を再現できるアプリである。電波の受信強度から擬似線源までの距離を算出し、擬似的に1㎝線量当量率へと変換し表示される。また、擬似線源を用いずにスマートフォンのGPS位置情報から線量率を仮想的に表示させるアプリ(USOTOPE2)も開発している。今年度は、GPS位置情報から仮想の放射線線量率を表示させる計算方法について改良を行い、想定される災害に合わせた驚異の再現を実現した。これまで、災害中心点の最大線量率だけを設定し、距離の逆二乗則による線量分布を設定していたが、放射線挙動シミュレーションにより得られたより複雑な放射線被害想定に対応できるよう、危険区域(ホットゾーン)の範囲を指定して、そこから離れるにしたがって線量率が減衰する仕様へと改良した。これにより、被害想定の規模の自由度が増えて、より現実的な初動対応訓練が可能となる。我々は、このシステムを用いて、警察消防等のテロ災害における初動対処訓練に活用した。実剤を用いた訓練を実施するのは困難であるが、USOTOPEを用いることで仮想的な被害状況を再現することができる。特にテロ災害時におけるゾーニング(危険度に応じた区域設定)の訓練での活用が有効であり、リアリティのある訓練を実施できることを実証した。
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