2019 Fiscal Year Research-status Report
Synthesis of super-dense bulk metallic glasses under high-pressure and high-temperature conditions
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19K04992
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
柴崎 裕樹 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 若手国際研究センター, ICYS研究員 (10730830)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 金属ガラス / 高温高圧 / 局所構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
金属ガラスとは、ランダム原子配列構造を有する非晶質金属のことであり、通常の結晶金属と比べ、高強度、軟磁性、高耐食性など優れた機械的・磁気的特性を持ち、様々な応用研究が行われ実用化もされている。最近、我々の研究によって、高圧下で熱処理を行うことで超高密度化が起こることが見いだされた。この様な高密度化は、高硬度化・高強度化を伴う可能性が高い。 令和1年度では、高圧熱処理によって合成された高密度Zr50Cu40Al10金属ガラスの機械的特性の評価を行い、機械的性能に対する高圧熱処理の効果を評価した。高圧熱処理は、ベルト型高温高圧発生装置(物質・材料研究機構設置)を用いて様々な温度圧力(2.5, 5.5, 7.7 GPa, 約1000 Kまで)で行った。得られた高圧熱処理後の試料について、密度(アルキメデス法)、硬度(ビッカース硬度計)、強度・変形能(圧縮試験)、弾性的性質(体積弾性率、剛性率、ポアソン比等)(パルス・エコー・オーバーラップ法)を測定した。 測定結果によると、高圧熱処理温度の上昇に伴い各機械的特性の向上が見られ、約900 K付近で最大値を示し、一方で、より高温での熱処理では特性の低下が見られた。圧力の効果としては、2.5 GPaでの高圧熱処理よりも5.5 GPaの方が効果的であったが、5.5 GPaと7.7 GPaでは大きな違いは見られなかった。 機械的特性の最大値を示した5.5 GPa, 900 Kで高圧熱処理を施した金属ガラス試料をTEM観察したところ、数nmサイズのCuに富んだナノ結晶が形成されており、その体積率は約60%に及んでいた。通常、常圧下での熱処理ではZrに富んだ結晶が析出するため、高圧熱処理特有のCuに富んだナノ結晶化により、機械的特性の向上が見られたと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、金属ガラスの機械的特性への高圧熱処理の効果を定量的に議論することができ、組織との関係性も明らかにすることが出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、Zr50Cu40Al10金属ガラスの高圧熱処理によって見られた、高圧熱処理特有のナノ結晶化のメカニズムを解明することを目的に研究を行う。そのために、高温高圧下での放射光X線を用いた局所構造測定を行い、逆モンテカルロシミュレーションと組み合わせることで、局所構造変化の詳細なモデル化を行っていく。また、対象とする金属ガラスの種類をCe系金属ガラスにも拡げ、圧力誘起の局所構造変化の研究を行っていく。
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Causes of Carryover |
当初予定していた物品の金額が安くなったため、差額が生じた。次年度購入する物品費にあてる予定。
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Research Products
(2 results)