2020 Fiscal Year Research-status Report
可視光応答型ダブルペロブスカイト半導体薄膜の高機能化と光触媒物性の解明
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19K04995
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
松川 倫明 岩手大学, 理工学部, 教授 (40221585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 晴香 岩手大学, 理工学部, 助教 (60735877)
西館 数芽 岩手大学, 理工学部, 教授 (90250638)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 可視光応答型光触媒物質 / ダブルペロブスカイト型酸化物半導体 / サイトレイト法 / 電荷分離状態 / メチレンブルー分解 |
Outline of Annual Research Achievements |
ホンダ・フジシマ効果を基礎として開発された光触媒技術は,有害化学物質の分解などの環境浄化や水分解などの持続可能な次世代のエネルギー技術として期待されている。本研究では,酸化チタンに代わる新規な光触媒物質として有望な可視光応答型ダブルペロブスカイト型酸化物半導体を創製し,その基礎物性を調査し,f電子の価数共存状態と関連する異常な光触媒特性の機構解明を目的とする。2020年度は、Ba2Pr(Bi,Sb)O6に加え、PrサイトをTbに置換したBa2Tb(Bi,Sb)O6の元素置換した良質な粉末試料をサイトレイト法により作製し,結晶構造評価,磁気特性,電子状態,光学特性及び光触媒特性の評価を実行した。さらに第一原理計算により当該物質の結晶構造から電子構造を推定し,元素置換によるバンドギャップ制御,混合原子価型元素のキャリア再結合抑制効果および試料作製プロセスに依存する結晶粒の組織制御の3つの観点から光触媒特性の高機能化の条件を解明した。 1.サイトレイト法作製により均一で微細な結晶粒を合成することが可能となった。特に結晶粒の微細化により比表面積が向上した。Sbの置換量に対する相図を作成し、低置換で単斜晶構造、極端ドープで立方晶構造、中間ドープ域で二相分離状態をとることが分かった。 2.磁気特性からPr及びTbイオンは3価と4価の価数共存状態をとり、XPSの結果とも一致する。また、この共存状態が電子とホールの再結合を抑制する電荷分離状態と密接に関係することを説明できるバンドモデルを提案した。 3.ガスクロやメチレンブルー分解の実験より、可視光応答型の光触媒効果を実証し、特に高い触媒効果は試料作製プロセス、価数共存状態及びバンドギャップに依存することがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、新たに分光計を購入して、メチレンブルー分解による光触媒特性の評価を重点的に行った結果、酸化還元電位とバンドギャップ構造との対応関係を実験的に解明することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
可視光応答型ダブルペロブスカイト型酸化物半導体薄膜を泳動電着法により作製し、光触媒特性を評価する。また、機械学習の手法を適用することにより、より最適な触媒特性の物質開発にも着手する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により学会がすべてオンライン開催に変更になり、執行予定の旅費があったため 実験に必要な消耗品等として充当する計画である。
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Research Products
(15 results)