2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of combined measurement system of visible-vacuum ultraviolet complex refractive index and application to wide band-gap semiconductor
Project/Area Number |
19K05014
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
福井 一俊 福井大学, 学術研究院工学系部門, 教授 (80156752)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 複素屈折率 / 真空紫外 / シンクロトロン放射 |
Outline of Annual Research Achievements |
紫外LEDやLDなどで発展の著しい紫外・真空紫外領域で、物質の基礎物性定数の一つである複素屈折率スペクトルの定量測定は、物性研究の基礎情報として工学的だけでなく基礎的な研究においても必要と考えている。この観点から我々は世界的にも殆どない可視‐真空紫外分光エリプソメーターをシンクロトロン放射光(SR)に特化した可視‐真空紫外分光エリプソメトリ装置(VIS-VUV SE)として構築してきた。 当計画では、SRの特徴である可視‐真空紫外という広い波長領域を試料周りの条件を変えずに測定できる点が、反射スペクトルから Kramers-Kronig 変換して複素屈折率スペクトルを求める際の条件と合致していることを利用して、VIS-VUV SEに反射率計を組み込むことで、エリプソメーターと Kramers-Kronig 変換双方の長所を生かした新たな可視‐真空紫外複合型複素屈折率スペクトル測定装置(VIS-VUV CRISE)として唯一性を示すこと、次にワイドバンドギャップ物質の広い波長領域での複素屈折率の定量データの提供を目指すこと目的としている。 当初の計画では、本年度は最初の目的であるVIS-VUV SEに反射率計を組み込み新たなVIS-VUV CRISEを設計・試作することであったが、本申請執筆後に設計を見直し、短期での実現可能性を優先した方法で設計・製作を開始、真空排気部以外は手持ちの資金だけで2年目(令和2年度)を待たず試作・組み込みを完了している。 一方、令和元年6月27日に、本装置に必要不可欠な光源であるSR(UVSOR BL7B)の前置鏡真空槽で深刻な冷却水漏れ事故が発生し、令和元年度全期間の利用が停止となったため、予定した評価実験がすべてできない状況になっており、上記以上の実績を示せなくなっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
上述のように、当初の計画では、本年度は最初の目的であるVIS-VUV SEに反射率計を組み込み新たなVIS-VUV CRISEを設計・試作することであったが、本申請執筆後に設計を見直し、短期での実現可能性を優先した方法で設計を開始、真空排気部以外は手持ち資金だけで2年目(令和2年度)を待たず試作・組み込みを完了している。
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Strategy for Future Research Activity |
上述のように、令和元年6月27日に、本装置に必要不可欠な光源であるSR(UVSOR BL7B)の前置鏡真空槽で深刻な冷却水漏れ事故が発生し、令和元年度全期間の利用が停止となった。本年度(令和2年度)は、片肺運転での運用が計画され、利用申請も受理されているが、それに加えて、新型コロナウイルス感染症対応のため、出張・放射線作業従事者の教育訓練等が軒並み(執筆時点では)停止しており、予定した評価実験が全くできていない状況になっている。 そこで、エリプソメトリの測定結果と反射率計の結果を合わせたデータ処理方法が、本課題では重要なテーマの一つとなっていることから、現時点ではそちらの処理方法の確立を行うことを優先する。
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Causes of Carryover |
令和元年6月27日に、本装置に必要不可欠な光源であるSR(UVSOR BL7B)の前置鏡真空槽で深刻な冷却水漏れ事故が発生し、令和元年度全期間の利用が停止となったため、予定した評価実験がすべてできない状況になった。そのため、使用額の大部分を占めるターボ排気ユニットを使った装置の排気系の事前評価ができず、新たな排気系の設計・製作も行えなくなり、排気ユニットの購入を繰り越したため次年度使用額が生じた。 評価実験が可能となれば、設計・製作を行い、それに合わせて排気ユニット等々の購入と製作を行う。
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