2020 Fiscal Year Annual Research Report
電荷相互作用に基づく無機材料選択的結合ペプチドの合理的設計法
Project/Area Number |
19K05035
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Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
福田 めぐみ 日本工業大学, 基幹工学部, 准教授 (00589765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 健一 日本工業大学, 基幹工学部, 教授 (80321769)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ペプチド / 材料認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
特定の無機材料に吸着・結合する指向性をもつペプチドのアミノ酸配列の導出作業の軽減と導出時間の短縮のため、無機材料の電荷とペプチド内の荷電アミノ酸の相互作用が指向性を支配するという観点から、材料がもつ電荷に基づいた合理的なアミノ酸配列を設計する新しいアプローチの開発を目指した。 本研究では、材料のゼータ電位より、その材料の指向性ペプチドのアミノ酸配列を導出するため、まず、荷電アミノ酸の電荷と材料表面の電荷との相互作用の強さの解明に取り組み、正と負の単一電荷材料と正負の電荷が混在した材料上で、荷電アミノ酸をもつペプチドの吸着強さや吸着量を評価した。 研究実施計画では、まず吸着力評価用ペプチドとして使用するアミノ酸配列を決定するとしていた。実際にペプチドの分散性とイオン交換クロマトグラフィーでの検出評価から、吸着力評価用ペプチドのアミノ酸配列を決定した。次に、荷電アミノ酸の電荷と材料表面の電荷との相互作用力の解明のため、正と負の単一電荷材料上でのペプチドの吸着強さをイオン交換クロマトグラフィーで評価するとしていた。初年度では、正負の電荷が混在しているが負のゼータ電位を示す金属ナノ粒子において、負電位が強かったとしても酸性アミノ酸が吸着することがわかった。また、単一電荷材料上では同程度の吸着強さであったペプチドが、電荷混在材料では異なる吸着量を示すなど、吸着する材料表面の電荷分布状態がペプチド吸着に影響していることがわかった。最終年度では、初年度で得られた知見が正しいかを確認するため、初年度と異なる電荷混在材料でも実験を行い、荷電アミノ酸の電荷と材料表面の電荷との相互作用の支配について明らかにした。
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