2020 Fiscal Year Research-status Report
高分子基複合材料の衝撃負荷下における層間せん断特性及び層間破壊じん性評価法の確立
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19K05041
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| Research Institution | Okayama University of Science |
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Principal Investigator |
中井 賢治 岡山理科大学, 工学部, 准教授 (70388924)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 層間せん断強度 / 修正イオシペスクせん断試験片 / ホプキンソン棒法 / 変形速度 / 負荷様式 / 走査型電子顕微鏡 / 層間破壊じん性 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
一方向強化カーボン／エポキシ積層複合材の静的及び衝撃引張り負荷下における層間せん断強度を測定するため、試験片として令和元年度に考案した修正イオシペスクせん断（MISS）試験片を採用した。
ホプキンソン棒法により衝撃引張りせん断荷重－変形関係を求め、その最大荷重から静的な評価式に基づいて、衝撃層間せん断強度を決定した。また、同一形状のMISS試験片を使用して、市販のインストロン社製万能試験機により静的引張りせん断試験を行ない、それから得た層間せん断強度との比較により、変形速度の影響を明らかにした。また、それらの結果と令和元年度に行った静的及び衝撃圧縮試験の結果と比較を行なった。
以上の結果より、一方向強化カーボン／エポキシ積層複合材の引張り負荷下における層間せん断強度は、破壊時の変形速度が約10 m/sまではあまり変形速度の影響を受けないことがわかった。これは、カーボン繊維自身のひずみ速度依存性が極めて小さいためであると考えられる。また、どの変形速度においても、層間せん断強度に及ぼす負荷様式（引張りと圧縮）の影響はほとんど認められなかった。測定結果の妥当性を微視的立場から考察するために、MISS試験片の静的・衝撃引張り及び圧縮破壊面を走査型電子顕微鏡（SEM）により観察した結果、両破面における微視的破壊モード（層間はく離）には顕著な差は認められなかった。
また、モードⅡ静的層間破壊じん性値を決定するために、JISに規定された端面切欠き試験片を使用して、万能試験機による3点曲げ試験を行なう準備を行なった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では、令和2年度中に静的層間破壊じん性のデータ値の取得と衝撃3点曲げ試験を実施するため装置の製作を行なう予定であったが、引張りにおける衝撃層間せん断強度を決定するにあたり、修正イオシペスク試験片とホプキンソン棒との結合方法の検証に関して大幅に時間を要した。そのため、令和2年度は引張りにおける静的・衝撃層間せん断強度の決定と圧縮におけるそれとの比較及び考察しかできていない。
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| Strategy for Future Research Activity |
モードⅡ衝撃層間破壊じん性を精度良く測定するために、まずはJISに規定された端面切欠き曲げ試験片（ENF：End Notched Flexure Specimen）を使用して、インストロン社製万能試験機により3点曲げ試験を行なっていく予定である。また、層間破壊じん性の変形速度依存性を明らかにするため、現有のホプキンソン棒を応用して衝撃3点曲げ試験を実施可能な装置の製作を行ない、衝撃層間破壊じん性の取得を行ないたいと考えている。
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| Causes of Carryover |
次年度使用額が発生した理由として、今年度製作予定だった層間破壊じん性を測定するための曲げ試験片が研究進捗の遅れで不要となったためである。
また、翌年度分として請求した助成金と合わせた使用計画としては、上記曲げ試験片製作費や試験用治具を購入する予定にしている。
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