2020 Fiscal Year Research-status Report
積層型超格子構造を有するLaMgNi系合金における水素吸蔵特性の解明
Project/Area Number |
19K05051
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
河野 龍興 東北大学, 金属材料研究所, 特任教授 (70417103)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 水素吸蔵合金 / 水素エネルギー / ニッケル水素電池 |
Outline of Annual Research Achievements |
水素吸蔵合金を負極材料とするニッケル水素電池はハイブリッド自動車や電力貯蔵の電源として大きく普及している。現在、水素吸蔵合金の高容量化に向けて様々な合金系が精力的に研究されているが、室温付近において高容量の水素を大量にかつ高速に吸蔵・放出可能な系の最有力候補はランタン(La)-マグネシウム(Mg)-ニッケル(Ni)系合金である。この合金系ではLaMgNi4のAB2タイプユニットとLaNi5のAB5タイプユニットの積層によって構成される超格子構造を有する化学量論組成の合金が存在するが、その構造に起因する水素の吸蔵・放出反応特性等、解明されていない特性が数多く有る。そこでLa-Mg-Ni系水素吸蔵合金における更なる高性能化を目標として、この合金系を構成しているAB2タイプユニットとAB5タイプユニットの積層配列パターンが水素吸蔵特性へ及ぼす影響を解明し、更なる高容量化・高出力化を実現できる新規La-Mg-Ni系水素吸蔵合金を検討している。今年度はAB2タイプユニット及びAB5タイプユニットから成る積層のパターンを積層配列から分類分けを実施し、この積層パターンで構成はMg元素の位置に依存することが明らかとなり、今までディスオーダーでの配置を想定していたが、オーダリングをしている可能性が高いことが明らかとなった。またそれぞれの積層パターンを接続して更なるパターンを形成していく場合には双晶あるいは平行連晶を構成する必要があることも同時に解明した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウイルスの影響により、当初の予定通りに実験を進行させること非常に困難な状況であり、計画が後ろ倒しとなっている。特に人的活動のオペレーションが必要な内容については難しいため、現在はシミュレーション主体へシフトさせている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後はAB2タイプユニット及びAB5タイプユニットユニットの各積層配列パターンを発現させるためのMgのオーダリング要因を明らかとして、そのための合金合成指針を明確にする。また高容量化・高出力化に向けた新規La-Mg-Ni系水素吸蔵合金探索へと展開するための可能性を検討する。
|
Causes of Carryover |
コロナウイルスの影響により、実験活動の大幅縮小を余儀なくされたため、予算は2021年度へ繰り越しとしている。
|