2021 Fiscal Year Research-status Report
Fabrication of infrared-responsible nano-carbon/polymer composite materials utilized as micro-actuator
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19K05062
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| Research Institution | Chitose Institute of Science and Technology |
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Principal Investigator |
高田 知哉 公立千歳科学技術大学, 理工学部, 准教授 (00342444)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 薫明 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (40374566)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 温度応答性ポリマー / カーボンナノチューブ / 複合材料 / 弾性率 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
２０２０年度までの取り組みから、温度応答性ポリマーへのカーボンナノチューブ添加により温度応答に伴う体積変形が抑制される（赤外線照射による温度変化はカーボンナノチューブ未添加の材料よりも大きいが、それに伴う膨潤率変化の程度は未添加の材料よりも小さくなる）ことを見出した。そこで、カーボンナノチューブ添加による材料の変形の抑制が、材料の力学的強度に対するカーボンナノチューブの影響によるものと考え、温度応答性ポリマーへのカーボンナノチューブ添加による材料力学的特性の変化について詳細に調べた。
本研究では、上限臨界溶液温度（UCST）型の温度応答性ポリマーであるポリアクリルアミド/ポリアクリル酸相互侵入ネットワーク（IPN）ハイドロゲルを対象とし、種々の添加率および膨潤率にて多層カーボンナノチューブを添加したゲルを作製した。また、IPN構造ではないランダム共重合体であるポリ（アクリルアミド-co-アクリル酸）についても同様に、カーボンナノチューブを添加した試料を作製した。得られた試料の応力-歪み曲線を材料試験機を用いて測定し、引張弾性率および圧縮弾性率を決定した。
カーボンナノチューブ添加率を変化させて得たハイドロゲルの引張・圧縮弾性率を同一の膨潤率（100％）の下で比較すると、添加率が高くなるほどいずれの弾性率も大きくなることが見出され、重量比で最大２％弱の添加率でも未添加のゲルに比べて顕著に変形抵抗が大きくなることがわかった。このことは、温度応答性ポリマーの自己発熱による変形がカーボンナノチューブ添加により抑制されることを支持する結果である。また、IPNゲルとランダム共重合ゲルの比較では、同一のカーボンナノチューブ添加率・膨潤率の下ではIPNゲルの方がはるかに高い弾性率を示し、カーボンナノチューブ複合ハイドロゲルの高強度化においてはIPN構造が重要であることが見出された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
温度応答性ポリマー/カーボンナノチューブ複合材料の赤外線誘起自己発熱による変形挙動について、材料力学的特性との関連に注目して研究を進め、これまでの知見を合理的に説明し得る観察結果が得られている。本研究で得られた知見は、関連学会での発表において公表している。今後は、変形の速度の観察と諸条件の影響に関する検討や、ハイドロゲルのモノマー組成による力学的特性および変形挙動の比較が必要と思われる。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後は、モノマーの組成を種々に変化させたハイドロゲルを用いた試料の作製を行い、強度や変形特性に対する分子構造の影響について調べる。また、IPNゲルとランダム共重合ゲルとの比較も現時点では予備的な段階であるため、引き続き試料作製と材料力学的特性の比較を行う。ソフトアクチュエータとしての応用に関係する要素として、赤外線照射に伴う変形速度も評価する必要があるため、変位センサーや顕微鏡を援用した精密測定を試みる。
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| Causes of Carryover |
２０２１年度中に現地開催される研究集会がなく旅費の支出がなかったことと、論文の校正費用・投稿料の支出がなかったため次年度使用額が生じた。この使用額は主に、現時点で実地での開催が予定されている研究集会への参加に要する旅費と、最終年度での論文投稿のための校正費用・投稿料として使用する他、追加のデータを取得するために必要な物品費としても使用する。
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Research Products
(3 results)
