2021 Fiscal Year Annual Research Report
抵抗スポット溶接重ね継手の静的強度に及ぼす荷重角度依存性の解明
Project/Area Number |
19K05080
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
北村 貴典 九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (70274553)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 抵抗スポット溶接 / 継手強度 / 複合荷重 / 高張力鋼板 / 荷重角度依存性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は抵抗スポット溶接重ね継手に斜め方向に荷重が負荷した場合の静的強度に及ぼす荷重角度依存性を解明し,強度評価技術を確立することである. 前年度までの研究成果として,複合荷重下での抵抗スポット溶接継手の破断メカニズムを検討したところ,母材強さが高い鋼材では曲げ負荷が残った段階で破断することを有限要素法解析により明らかにした.そこで,2021年度では曲げ負荷が支配的となるL字継手試験片の継手強度試験を実施し,強度支配因子の検討を行った.その結果,L字継手の強度は2枚の鋼板の開き角度とナゲット端から引張軸までの距離が継手強度に大きな影響を与える因子であることを確認した. また,抵抗スポット溶接重ね継手の強度については重ね部の2枚の鋼板の開き角や回転角といった板自体の変形が継手強度に影響を及ぼすことが前年度までの実験結果より示唆された.そこで,2021年度では板の変形が複雑な荷重角度が大きな場合と同等である引張せん断試験で板の変形と継手強度の関係について検討した.その結果,重ね継手の引張軸のずれに伴う接合部の回転変形よりも,2枚の鋼板の開口変形が継手強度に大きな影響を与える因子であることを確認し,ナゲット周囲の鋼板の変形抑制による継手強度向上効果も確認した. 以上の検討から,複合荷重下での抵抗スポット溶接継手強度は2枚の鋼板間の開き角度が大きく影響する因子であることを確認した. そこで,複合荷重試験の有限要素解析において,ジグによる試験片の拘束を考慮した境界条件を新たに設定することで,実験値を精度よく模擬できる計算方法を確立した.そして,確立した数値解析手法を用いて,2枚の鋼板間の開き角度を精度よく推定し,力学モデルを援用することで複合荷重下における抵抗スポット溶接継手の強度評価方法が確立できた.
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Research Products
(7 results)