2019 Fiscal Year Research-status Report
背面入射中性子反射率法による省電力IC配線用銅めっき膜のその場観察構造評価
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19K05089
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Research Institution | 一般財団法人総合科学研究機構(総合科学研究センター(総合科学研究室)及び中性子科学センター(研究開発 |
Principal Investigator |
宮田 登 一般財団法人総合科学研究機構(総合科学研究センター(総合科学研究室)及び中性子科学センター(研究開発, 中性子科学センター, 副主任研究員 (40465985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 司 一般財団法人総合科学研究機構(総合科学研究センター(総合科学研究室)及び中性子科学センター(研究開発, 中性子科学センター, 室長 (70789940)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 中性子反射率 / めっき / その場観察 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度は「『中性子反射率法によるめっき膜の成長過程のその場観察』に向けた装置の仕様検討」と「めっき膜の中性子反射率予備測定」、および当初2年目に予定していた「『めっき膜の中性子回折実験』の先取り実施の準備」を行った。以下にこれらの進捗と成果について述べる。 その場観察中性子反射率測定装置については、産業技術総合研究所ナノプロセシング施設(AIST NPF)において実際にCuめっき膜の製膜を行いながら、Cuシード層の厚みや電極形状などの必要な仕様の検討を進めた。また、Cuめっき膜の形成過程を詳細に議論するために、その初期過程であるCu超薄膜と実用膜厚のCuめっき膜試料を作製し、それらの中性子反射率をJ-PARC MLFに設置されているBL17中性子反射率計により測定し(J-PARC MLF中性子利用実験課題番号2019C0005背面入射中性子反射率法によるCrメッキ膜の製膜のその場観測2)、現在解析を進めている。また、めっき膜の中性子反射率その場測定の基礎的検討を第80回応用物理学会秋季学術講演会で発表した(宮田登、宮崎司、背面入射中性子反射率法による厚膜の構造評価2、第80回応用物理学会秋季学術講演会、2019)。 また、上述のCuめっき膜の中性子回折実験に向けて、これとは別に準備した膜厚約1μm程度のAuめっき膜について直入射および斜入射でのX線回折測定実験をAIST NPFで行った。この測定から、作製したAuめっき膜は111面が面直方向に配向していることが分かった。本試料を用いて令和2年度早々に中性子回折実験を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
その場観察中性子反射率測定装置の作製に関しては現在仕様を詰めている段階である。めっきによる製膜を進めるためのシード層の製膜条件などより詳細な検討が必要な事項があるが、予備検討のための装置により背面入射でのめっき膜の中性子反射率の測定が可能であることが検証できているので、今後さらに検討を進めて装置を開発し、その装置によりめっき膜形成の極初期状態からのその場測定を進める予定である。 その一方で当初2年目に予定していた中性子回折実験が予定より早く実施できる目途が立ったため、上記のその場観察中性子反射率測定装置の作製と並行して、中性子回折実験用のめっき膜試料を準備しX線回折による事前評価を行った。これらの状況を総合的に鑑みると、本研究はおおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続きその場観察中性子反射率測定装置の開発を進め、Cuめっきについてその場観察測定を進める予定である。同時に、繰り上げて取り組み始めた中性子回折実験では背面入射および斜入射での測定を進めることで、めっき膜の薄膜形成初期過程から製膜後の継時変化全般における組成、密度、界面構造、結晶性評価の評価を進めていく。
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Causes of Carryover |
その場観察中性子反射率測定装置の仕様を詳細に検討しているため次年度使用額が生じているが、平成2年度中には仕様を確定させ、これらを執行する予定である。
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