2021 Fiscal Year Research-status Report
背面入射中性子反射率法による省電力IC配線用銅めっき膜のその場観察構造評価
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19K05089
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Research Institution | 一般財団法人総合科学研究機構(総合科学研究センター(総合科学研究室)及び中性子科学センター(研究開発 |
Principal Investigator |
宮田 登 一般財団法人総合科学研究機構(総合科学研究センター(総合科学研究室)及び中性子科学センター(研究開発, 中性子科学センター, 副主任研究員 (40465985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 司 一般財団法人総合科学研究機構(総合科学研究センター(総合科学研究室)及び中性子科学センター(研究開発, 中性子科学センター, 室長 (70789940)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 中性子反射率 / めっき / その場観察 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は『中性子反射率法によるめっき膜の成長過程のその場観察』システムに必要となる試料セルの構造及び制御システムの検討を進めた。以下にこれらの進捗と成果について述べる。 本システムの試料セルには通常のめっき槽に求められる化学的耐性、温度制御、めっき液均一化(攪拌、フローなど)などの特性のほかに、放射線汚染抑制対策が必要になる。そのため、めっき液の使用量の削減、セル全体の密閉性の確保などが追加で必要となる。それらの機能を備えた試料セルの開発に向けて、当初計画にはなかったセル用母材(例えばグラファイトなど)の検討や、セル母材とめっき液との接触部分へのETFEコーティング技術の開発を進め、より高機能な試料セルの開発を進めている。 本システムの制御には上記のセルの温度制御やめっき液均一化のフロー制御などに加え、中性子照射中は放射線防御の観点から試料セル周辺にはアクセスできないことからこれらのリモート制御や、J-PARC MLF BL17中性子反射率計の制御システムと連動して制御できるシステムが必要となる。これまでめっき液のフローに必要となるリレーシステム、MLFの機器安全の仕様に合致する温度調整器などの開発を進めていてこれらの制御と、上述の試料セルをシステムとして連動させる開発を進めている。一方で、感染症対策の影響を受けて個別の機能の開発に時間ラグが生じており、これらの早期の開発と連動性の確認を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
『中性子反射率法によるめっき膜の成長過程のその場観察』システムの開発に向けて、引き続きセルの開発と制御システムの構築を進めている。セルの開発では必要な母材の検討やコーティング技術の開発が進んでおり、制御ではリレーシステムや温度調整器など、個別事項ごとに開発を進めている。その一方で感染症対策の影響を受けて、それらを連動させたシステムの開発が遅れている。 これらの状況を総合的に鑑みると、本研究はやや遅れている状況であると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き『中性子反射率法によるめっき膜の成長過程のその場観察』システムの開発を進め、Cuめっきについてその場観察中性子反射率測定を進める予定である。同時に、令和2年度に実施した中性子回折実験の成果をまとめ、めっき膜の薄膜形成初期過程から製膜後の継時変化全般における組成、密度、界面構造、結晶性評価の評価を進めていく。
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Causes of Carryover |
その場観察中性子反射率測定装置の仕様の確定が感染症対策の影響等で遅れているため次年度使用額が生じているが、令和4年度中には仕様を確定させて執行する予定である。
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