2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K05093
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
若井 史博 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (30293062)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 焼結 / 粒界拡散 / 表面拡散 / シミュレーション / モデリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,巨視的な焼結の連続体力学とミクロスケールでの粒子間相互作用による複雑な微構造変化との関係を解明し,セラミックスの焼結力学の体系化を目指すことである.焼結の非平衡プロセスの動力学を確立するため,粒界拡散と表面拡散の連成による焼結の有限要素法シミュレーションを行った.4個の球粒子の焼結は古典的な焼結モデルである.初期焼結において円形の接触部が成長するが,接触部が互いに合体すると気孔チャネルの閉鎖が起こり,中央に閉気孔が形成された.焼結が進むと気孔は収縮し,消失するがその後も接触面の面積の増加が続く.ミクロスケールでの粒子運動速度は接触面積の二乗に反比例し,熱力学的駆動力である焼結力に比例する.焼結力は接触面の境界線に沿った曲率の重み付き平均に相当する表面の応力と,力の釣り合いによる平均の圧縮応力から生じた.気孔チャネルが閉じて閉気孔が形成される際と,閉気孔が消失する際の2回,焼結力の鋭いピークが現れた.気孔チャネル閉鎖により形成された閉気孔の体積は粒界拡散のため,時間とともに収縮した.気孔体積は粒子間の相対速度に比例して減少した. 一方,焼結の連続体力学に関しては,焼結鍛造試験で実験的に測定したセリア添加ジルコニアの体積粘性率とせん断粘性率の電場依存性について検討し,電場は体積粘性率にはあまり影響しないが,せん断粘性率を低下させる効果があることを見出した.ミクロ力学の視点で解析することにより,電場が粒界すべりを促進し,そのために,せん断粘性率が低下する可能性を示した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
焼結理論において,これまでは2球粒子モデルを使った解析がなされてきた.本研究ではわずか4個の球粒子のモデルを解析しただけであるが,2球粒子焼結モデルでは把握できなかった様々な現象とその背後にある力学が把握できた.
|
Strategy for Future Research Activity |
ミクロ力学モデルについては球粒子数をさらに増やしたモデルの解析を進める.また,焼結における欠陥形成プロセスのFIBトモグラフィー3次元微構造観察に関しては,粒径1ミクロン程度の金(Au)粒子の厚膜の自由焼結における3次元気孔構造データを取得する.さらに,基板上のAu粒子厚膜の拘束焼結を行い,拘束によって発生する内部応力により異方的な気孔構造と欠陥が発達する過程のデータを取得する.
|
Causes of Carryover |
実験補助員を雇用する予定であったが,適任者が見つからず,採用できなかった.次年度から,本科研費の分担者として岐阜大学の吉田道之博士が加わるので,吉田博士の研究費に充当する.
|
Research Products
(15 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Evolution of anisotropic microstructures in free sintering and constrained sintering of Au sub-micron particles observed by FIB-SEM tomography2019
Author(s)
Ryo MIYAKI, Kan SHINOBE, Gaku OKUMA, Anna SCIAZKO, Takaaki SHIMURA, Shotaro HARA, Toshinori OGASHIWA, Naoki SHIKAZONO, Norimasa NISHIYAMA, Fumihiro WAKAI,
Organizer
Materials Research Meeting 2019
Int'l Joint Research