2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K05093
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
若井 史博 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (30293062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 道之 岐阜大学, 工学部, 助教 (70431989)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 焼結 / 連続体力学 / トモグラフィー / 強度 / 信頼性 / セラミックス / ナノ粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
焼結は成形した粉体を加熱して複雑形状部品を製造する技術である.セラミック部材の物性や強度は,この焼結プロセスで形成される微構造や微小な内部欠陥に大きく影響される.本研究では焼結現象をマルチスケールの力学の視点から捉え,「焼結力学」として体系化することを目指した.焼結の平衡熱力学を越えて非平衡プロセスの動力学を確立するための一つのステップとして,多数のガラス粒子集合体の粘性焼結における複雑な形態変化がミクロスケールの焼結力から導出される表面エネルギーテンソルによって記述できることを見出した.また,製品の強度信頼性の向上には,粉体プロセス過程で導入された欠陥を焼結により除去することが必要である.巨視的な収縮を記述する連続体力学をもとに加圧焼結(HIP, HP, SPS,焼結鍛造)による微細粒アルミナ成形体中の粗大欠陥の収縮・消滅プロセスを理解し,予測,制御する方法論を開発し,信頼性向上の指針を得た.さらに,Au(金)のサブミクロン粒子の焼結における複雑な構造形成過程を集束イオンビーム(FIB)-SEMトモグラフィーで直接観察し,不均質,かつ,異方的な微構造変化を定量的に表現する様々な手法を提案するとともに,緻密化とともに「不均一領域の粗大化」の現象が起こることを見出した.この概念は焼結に伴う粒成長とは区別すべきものであり,焼結の緻密化挙動の構成方程式に粒径とは別のスケール因子を導入する必要があることを明らかにした.
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Research Products
(16 results)