2020 Fiscal Year Research-status Report
マルチスケール中性子イメージング法による鉄鋼中ミクロ組織の形成過程の解明
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19K05102
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
大場 洋次郎 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 物質科学研究センター, 研究副主幹 (60566793)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸高 義一 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50345956)
篠原 武尚 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 J-PARCセンター, 研究主幹 (90425629)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 中性子イメージング / ミクロ組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、マルチスケール中性子イメージング法を用いた非破壊測定を行うことを目的とする。2019年度の研究により、中性子イメージング実験の準備が整った。また、試料の準備を行うとともに、解析技術の開発も進めた。一方、新型コロナ感染症の影響により、中性子実験に遅れが生じた。これらの状況を踏まえ、2020年度は、解析技術のさらなる開発と、これまでの成果のまとめを中心に行った。 解析技術の面では、これまでの研究により高磁場における磁気散乱成分の考慮が必要であることがわかったため、ルクセンブルク大学との共同研究等により、磁気散乱成分の解析法の開発を進めた。また、マルチスケール中性子イメージング法を用いて集合組織の情報を抽出し、解析する手法を開発した。この手法では、通常の集合組織解析法と比較して方位の情報は限定されるが、試料内の集合組織の空間分布を一度にマッピングできるという利点を持つ。 成果のまとめに関しては、2020年度は上記の解析法と、派生的な手法に関して複数の論文を出すことができた。これらに加えて、集合組織の解析等に関して論文を投稿中である。さらに、磁気散乱解析の発展的な論文について投稿準備中であり、現在共同研究者間で議論を進めている。 実験の面では、2021年度前期のJ-PARCの実験課題募集に応募し、エネルギー分析型中性子イメージング装置BL22螺鈿においてビームタイムを獲得した。2020年度は、この実験に向けた試料と赤外加熱炉等の準備も進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度は、上述の通り新型コロナ感染症の影響を受け、実験よりも解析技術の開発と、成果の発信に重点を置いて研究活動を行った。その結果、当初の計画通り、マルチスケール中性子メージング法を用いた集合組織の発達に関する解析技術やデータサイズの大きな中性子イメージングの実験結果をより高速に解析できる技術、磁気散乱の解析技術等を開発でき、さらに、これらの派生的な研究も行うことができた。これらの観点から、解析技術の面では計画通りの進捗のみならず派生的な技術に関しても多くの進展が得られたと考えられる。また、これらの研究を通じて、豊橋科学技術大学等との国内の共同研究に加え、ルクセンブルク大学やオーストラリア原子力科学技術研究機構(ANSTO)、ラウエ-ランジュバン研究所との国際的な研究協力体制を築くことができた。これらの進捗により、成果を複数の論文として発信することができた。また、さらに論文を投稿中であり、投稿準備中の論文もあることから、今後も複数の論文を発表できる見込みである。以上のことから、本研究の進捗状況は、おおむね順調であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、上述の通り新型コロナ感染症の影響を受けて順序を変更し、中性子イメージング実験に重点を置いて研究活動を行う。既に2021年度前期のJ-PARCの実験課題募集でビームタイムを獲得しており、これまでの知見に基づいて実験を進める。赤外加熱炉を用いたオフラインでの加熱試験では良好な結果を得ている。これに加えて、2021年度後期のJ-PARCの課題募集にも応募し、ビームタイムの獲得を目指す。また、研究炉JRR-3の運転再開も予定されているため、研究の進捗によってはJRR-3を利用した中性子実験も検討する。 一方、5月に国際会議への参加を予定しており、成果発表を行う。また、引き続き論文等による研究成果の発表も進める。
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Causes of Carryover |
2020年度は解析技術の開発と成果発信に重点を置き、これらを前倒しして行ったため、中性子実験は後ろ倒しとなり、中性子実験関連の費用に次年度使用額が生じた。2021年度には既に中性子実験の課題が採択され、ビームタイムを獲得しており、この中性子実験の費用として次年度使用額を使用する計画である。
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Research Products
(9 results)