2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of high temperature redoxmetry for iron silicate melts
Project/Area Number |
19K05106
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
助永 壮平 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (20432859)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠田 弘造 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (10311549)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | レドックス / 酸化鉄 / ケイ酸塩融体 / ガラス / スラグ |
Outline of Annual Research Achievements |
金属製精錬プロセスで精錬剤として使用される溶融スラグは、酸化鉄や二酸化ケイ素、アルカリおよびアルカリ土類酸化物などを主成分とする ケイ酸塩融体である。スラグの精錬能や物性(融点、粘度、表面張力など)は、鉄イオンの酸化状態(2価と3価の鉄イオンの存在比)を反映して変化するため、溶融スラグ のレドックス状態を可能な限り簡便に直接分析できる技術の開発が望まれている。本研究課題では、ラマン分光分析を利用することにより溶融スラグ中の鉄イオンの酸化状態を分析する技術確立のための基礎的検討を行った。融体を対象とした技術開発に先立ち、様々な雰囲気下で溶融した鉄ケイ酸塩を急冷して得られたガラス試料を対象とし、メスバウア分光法およびX線吸収分光法により、ガラス試料中の鉄イオンの酸化状態や酸素配位数を明らかにした。また、同ガラスのラマンスペクトルを測定し、酸化状態や配位数の変化がラマンスペクトルに与える影響について調査を行った。今回得られたガラス中の3価の鉄イオンの酸素配位数は、ガラス中に存在するアルカリ土類イオンの種類に依存し、酸素4~6配位の範囲で変化することが明らかになった。ケイ酸塩ガラス中の鉄イオンの酸化状態が同程度の場合、3価の鉄イオンの酸素配位数が4に近い系のガラスほど、900cm-1付近に表れるFe3+-Oの伸縮振動の信号強度が強い傾向が見出された。Fe3+-Oの伸縮振動の相対強度から鉄イオンの酸化状態が決定できる可能性が確認された。また、試料を加熱ステージ上で溶融することにより、高温下での鉄ケイ酸塩融体のラマンスペクトルが取得可能であることが明らかになった。1100度以上の測定では、試料からの輻射の影響が無視できないため、今後、輻射の影響の低減が課題として残された。
|
Research Products
(7 results)