2019 Fiscal Year Research-status Report
Grain Refinement of Cast Materials and Clarification of the Refining Mechanism using Mold Vibration Method
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19K05114
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Research Institution | Kurume National College of Technology |
Principal Investigator |
山本 郁 久留米工業高等専門学校, 材料システム工学科, 教授 (00325515)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 凝固 / 結晶粒微細化 / 振動 / Al合金 / 鋳造 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度においては,亜共晶組成のAl-Cu合金および過共晶組成のAl-Si合金の結晶粒微細化についての確認実験を行うとともに溶湯の振動状況を解析するため水モデル実験,Al合金を用いた実証実験を行った. Al合金を用いた結晶粒微細化確認実験では,Al-Cu合金の初晶α相,Al-Si合金の初晶Siは鋳型振動の振幅及び周波数の関数である加振力によって整理でき,この加振力を大きくすると結晶粒サイズが微細化することを再度確認した. 塩化アンモニウム水溶液を用いた水モデル実験では,鋳型内での溶湯流動を制御できる様々な鋳型を作製して実験を行った.無振動では塩化アンモニウム結晶が鋳壁から中央部へ向かって大きく成長するが,振動を付加すると結晶が多量に発生し,さらに振動による対流で鋳型内部を満たして微細化することが明らかになった.試料部と押湯部の間を閉鎖すると試料部での波打ちと対流が抑制され,結晶の晶出及び成長は無振動時と同様の挙動を示した.また,押湯部に堰を設けると,振動を付加しても溶湯表面や鋳壁近辺で発生した結晶は堰によって試料部への移動が妨げられ,試料部では無振動と同様に結晶が大きく成長することが分かった. Al-2%Cu合金を用いた実証実験を行った結果,水モデル実験と同様に鋳型内に堰を設けると,振動を付加しても柱状晶が成長し,微細化が抑制された. 以上の結果より,振動鋳型による結晶粒の微細化は溶湯表面と鋳壁の境界近傍における波打ちによって起こるものと考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
水モデル実験によって,鋳型振動における溶湯流動が明らかになるとともに結晶粒の成長過程を明確にした.また,Al合金を用いた実証実験においても,水モデル実験によって考察した結晶粒微細化機構の仮説を実証することができた. これらの結果は,学会発表で十分公表できる状況であると考えており,本研究の進捗はおおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
これまで,初晶の微細化に対する鋳型振動の影響を見てきたが.今年度は共晶組織に及ぼす振動の影響について調査を行う.共晶セル径やラメラー間隔と振動条件の関係を調査することで,冷却速度や溶質元素の拡散への影響が明らかになると考えている.実験が容易であるAl-33%Cu合金を用いて熱分析を行うことにより振動による冷却速度や過冷度の影響を明確にする.また,初晶と共晶が存在する合金を用いて,同様に組織の微細化に及ぼす振動条件について調査する.これらが明らかになると実用合金の適用可能性も評価できるものと考えている. さらに,現在の結晶粒サイズよりさらに微細化を目指す研究を行う.現在,1mm程度である結晶粒のさらなる微細化を目指す.特に接種法や冷却板法など既存の微細化手法と組み合わせ,その複合効果を利用して結晶粒微細化を図る実験を行う予定である.
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Causes of Carryover |
学会が近郊で開催されたため研究調査費で必要とする旅費が少額となったこと,また,予定していた装置使用料が計上されなかったためである. 今年度予定している実験を予定通りに遂行するため,特に実験に必要な物品費に利用する予定である.
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