2021 Fiscal Year Annual Research Report
超音波振動による粉粒体-壁面間摩擦低減効果の要因解明
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19K05129
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
河府 賢治 日本大学, 理工学部, 准教授 (10424748)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 超音波振動 / 摩擦低減 / 音響透過係数 / ヤング率 |
Outline of Annual Research Achievements |
超音波振動板上に立方体を置き,装置全体を徐々に傾けていき,立方体が動き出すときの角度から超音波振動による摩擦低減効果を調べた。このとき,立方体の材料をアルミ,銅,真鍮,亜鉛,鉄の5種,立方体サイズを10,12,14mmの3種(アルミ,鉄のみ),振動板サイズを20,40mmの2種に変えて実験を行った。その結果,実験条件に関わらず振動板振幅が大きくなるほど摩擦を低減できること,振動板サイズが大きいほど低減効果も大きくなることが分かった。これより,振動板の上下振動に立方体が追随できずに浮遊する,つまり摩擦低減効果に対する慣性の影響は小さいことが分かった。さらに,立方体が小さいほど,また音響透過係数が大きく,ヤング率が小さい材料ほど摩擦低減効果が大きくなることも分かった。 次に,超音波振動板上に上述と同じ立方体を置き,レーザードップラー振動計のレーザーを照射し,変形量を測定した。その結果,立方体側面の振動振幅は頂面と比べて非常に小さいこと,振動板と同じ周波数で振動していること,振動板振幅が大きくなるほど立方体振幅も大きくなることが分かった。また,音響透過係数が大きく,ヤング率が小さいほど変形量が大きく,また同じ振幅でも振動板サイズが大きいほど変形量が大きくなることが分かった。以上の結果は,摩擦低減効果と定性的に傾向が一致しており,超音波振動による摩擦低減の要因は慣性効果ではなく,振動板上の物体に振動エネルギーが透過し,そのエネルギー発散のために変形し,これによりみかけの摩擦抵抗が低減することが分かった。
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Research Products
(1 results)