Development of electrochemical CO2 reduction and understanding of reaction mechanism in green solvents

2020 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 19K05133
• Research Institution: National Institute of Advanced Industrial Science and Technology
• Principal Investigator: 金久保 光央 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (70286764)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 本林 健太 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60609600)
• Project Period (FY): 2019-04-01 – 2022-03-31
• Keywords: グリーン溶媒 / イオン液体 / 二酸化炭素 / 電気化学的還元 / 反応機構解明

Outline of Annual Research Achievements

イオン液体は常温近傍以下に融点を持つ液体の塩で、不揮発性、難燃性、優れた熱化学的安定性などの特徴を有し、二次電池の電解液を始めとして化学反応や分離プロセスの媒体としての応用研究が進められている。近年、イオン液体は電気化学的CO2還元反応（ECR）の電解液や電子移動プロモーターとして注目されている。本研究では、機能性電解液や電子移動プロモーターなどの基盤技術の構築を通して高効率のECRの開発を目指した。
高圧条件下でECR実験が可能なように、高圧電解セル（容量約30 cm3）を新たに製作した。電解セルは、設計圧力10 MPa、設計温度80 ℃とし、セル内を可視化できるように窓を設けた。高圧セル内に2種の作用電極、参照電極、対極を導入し、三電極方式で電気化学測定を可能とした。作用電極は電解還元用の大面積のAu平板電極（10 mm X 10 mm）とサイクリックボルタンメトリー（CV）用のAu円板電極（直径1.6 ｍｍ）、参照電極はAg線からなる疑似電極、対極はコイル状のPt線を用いた。事前に5 MPa程度の高圧条件でリークが無いことを確認した。また、電解還元後の生成ガスは、電解セルからガスクロマトグラフィー（GC）まで配管を設けて、オンラインで分析可能とした。
高圧電解セルに、電解液として約10 cm3の1-エチル-3-メチルイミダゾリウム ビス（トリフルオロメタンスルホニル）アミド（[emim][Tf2N]）を入れ、CO2で置換後にECR実験を行った。[emim][Tf2N]に1.1 MPaでCO2を飽和吸収させてCVを測定したところ、-2.3 V付近から立ち上がるCO2の還元電流が観測された。-2.5 Vで定電位電解を行ったところ、電解セル内の圧力は電解に伴い僅かに上昇した。定電位電解後の生成ガスのGC分析では、CO2に加えてCOの生成が確認された。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

高圧条件下での電解実験が可能な高圧電解セルの製作を完了し、これまで見出されている有望な電解液を用いたCO2の電気化学的還元実験に取り組む予定である。

Strategy for Future Research Activity

本年度製作した高圧電解セルを用いて、これまでに見出されている有望な電解液中におけるCO2の電気化学的還元の実験的検証を進める。くわえて、その場分光法によるメカニズム解明を進め、CO2の電気化学的還元に最適な高効率の電解液を開発する。

Causes of Carryover

理由：本年度の研究はほぼ計画通りに進んだが、当初予定していた技術補助員の雇用期間を短縮したため予算が残った。そのため、本年度の予算の一部を次年度に繰り越すことにした。
使用計画：技術補助員の人件費として支出し、研究計画を加速する。