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2019 Fiscal Year Research-status Report

細胞非自律的に作用する遺伝子の網羅的同定法開発

Research Project

Project/Area Number 19K05169
Research InstitutionUniversity of Yamanashi

Principal Investigator

升井 伸治  山梨大学, 大学院総合研究部, 特任准教授 (20342850)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 黒澤 尋  山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (10225295)
斉藤 美佳子  東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20291346)
若山 照彦  山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (40360672)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords分子ネットワーク / シグナル伝達
Outline of Annual Research Achievements

生物は、それを構成する極めて多くの種類の構成要素、すなわち、分子やその複合体、または細胞が、一定の秩序を形成することで維持される。そのため、その秩序は、細胞や個体の恒常性を維持し、またその破綻は、疾患の発症につながると考えられる。しかし現在のところ、上記の秩序をつくる構成要素や、それらが秩序をつくるしくみは不明な点が多い。そこで本研究は、細胞間の秩序に注目し、その秩序をつくる構成要素を同定する方法の開発を目的とした。上記の構成要素には、微量の分子や、代謝産物、糖鎖が含まれることが予想されるため、それらを直接に同定することは困難が予想される。そのため、上記の構成要素の発現を制御する遺伝子を同定するアプローチを採用した。まずモデル材料の一つとして、線維芽細胞株を用いて、上記の遺伝子を同定するための実験系を検討した。その結果、予想されるより低い効率しか得られなかったことから、さらなる改良が必要と考えられた。別のアプローチとして、特定の細胞に入力されるシグナルを、その活性を反映するレポーター遺伝子を用いて同定するアプローチを試みた。まずマウスES細胞と、それを分化させる活性をもつ細胞との組み合わせを用いたところ、分化させるシグナルを、レポーター遺伝子を用いて同定することが出来ることを確認した。続いて、マウスES細胞において、より未分化な性質をもつ亜集団の出現を制御するシグナルの同定を行うこととした。現在、レポーター遺伝子の構築と、それらのES細胞への導入を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

様々なアプローチとモデル材料を検討することにより、順調に進捗している。新しいアプローチの一つとして、注目する細胞に入力されるシグナルを同定する手法により、シグナル1種類ずつの同定でありながら、組み合わさって大きな作用を発揮するシグナルの同定が可能になると期待される。また、新しいモデル材料として用いた、マウスES細胞におけるより未分化な亜集団は、二細胞期様細胞とよばれ、その出現を制御する分子は不明なものが多いとみられている。これまでに二細胞期様細胞の出現の様子を観察したところ、その出現の位置は偏るという予備的な結果を得た。このことから、細胞集団中では、局所的に微小環境の偏りが生じており、これにより、おそらく低酸素などのシグナルが入力されることが、二細胞期様細胞の出現に寄与することも考えられる。

Strategy for Future Research Activity

前年度に引き続き、低酸素などのシグナルにより、二細胞期様細胞の出現が制御されるしくみの解析を進める。並行して、さらなる新しいモデル材料として肝細胞を用い、新しいアプローチとして数理モデル解析を行う。肝細胞は、中心静脈側から肝門脈側にかけて、遺伝子発現が段階的に異なっており、これにより代謝の役割分担を行う(領域特異性)。肝細胞の領域特異性が形成されるしくみは、不明な点が多い。そこで、領域特異性の関連遺伝子を発現する肝細胞について、その数の変化を解析することにより、領域特異性を形成するシグナルの推定を行うことができるかを検討する。数理モデルは、以下のものを用いる。SIRモデルは、伝播する特徴をもつ要素について、その数の変動をあらわすものであり、感染症の研究に用いられている。反応拡散モデルは、複数の要素の相互作用により、秩序の形成をあらわすもので、発生学に用いられている。これらを用いた解析に基づいて、観測された細胞数の変化に対応するシグナルの同定を、様々なアプローチを用いて行う。

  • Research Products

    (5 results)

All 2020 2019

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (3 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Journal Article] Optimized conditions for the supplementation of human-induced pluripotent stem cell cultures with a GSK-3 inhibitor during embryoid body formation with the aim of inducing differentiation into mesodermal and cardiac lineage2020

    • Author(s)
      Yoda Kiyomi、Ohnuki Yoshitsugu、Masui Shinji、Kurosawa Hiroshi
    • Journal Title

      Journal of Bioscience and Bioengineering

      Volume: 129 Pages: 371~378

    • DOI

      10.1016/j.jbiosc.2019.09.015

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Direct Reprogramming Into Corneal Epithelial Cells Using a Transcriptional Network Comprising PAX6, OVOL2, and KLF42019

    • Author(s)
      Kitazawa Koji、Hikichi Takafusa、Nakamura Takahiro、Nakamura Masahiro、Sotozono Chie、Masui Shinji、Kinoshita Shigeru
    • Journal Title

      Cornea

      Volume: 38 Pages: S34~S41

    • DOI

      10.1097/ICO.0000000000002074

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 細胞らしさの制御メカニズム 多能性幹細胞と体細胞2020

    • Author(s)
      升井伸治
    • Organizer
      第19回日本再生医療学会総会
    • Invited
  • [Presentation] ヒトiPS細胞の未分化増殖を可能にする新規ペプチド化合物の分子進化工学的スクリーニング法による探索及び人工 FGFRアゴニストとしての機能解析2019

    • Author(s)
      佐藤将、大貫喜嗣、升井伸治、川上 隆史、黒澤尋
    • Organizer
      第71回日本生物工学会大会
  • [Presentation] ヒトiPS細胞において中胚葉分化が促進された胚様体を形成するためのGSK-3β阻害剤処理条件の検討2019

    • Author(s)
      依田聖未、大貫喜嗣、升井伸治、黒澤尋
    • Organizer
      日本組織培養学会第92回大会

URL: 

Published: 2021-01-27  

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