2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K05169
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
升井 伸治 山梨大学, 大学院総合研究部, 特任准教授
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Project Period (FY) |
2019 – 2021
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Keywords | 分子経路 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトの表現型は多様であるが、それらは個々の細胞の機能が組み合わさって表出されると考えられる。一般に、細胞の機能は、代表的な分子経路を制御する重要な遺伝子により大きく制御される。最近の報告から、それら重要な遺伝子の発現は、多数の他の遺伝子により制御されることが明らかとなってきた。また、ほぼ全ての遺伝子において、その発現を変化させる遺伝的多型がみつかることが示されてきた。さらに、多くの遺伝子の発現が環境要因の影響を受ける。そこで本研究では、作業仮説として、個人ごとの遺伝要因や環境要因の差異が、多数の遺伝子の発現変化を介して、代表的な分子経路の差異につながると考える。このとき、細胞非自律的に作用する遺伝子は、より多くの遺伝子に作用することで、代表的な分子経路に影響を与えるはずである。 升井氏は環境要因の差異を検出するためのツールとして、様々な分子経路のレポーター遺伝子を導入したマウスES細胞を樹立した。次に薬剤処理により導入したレポーター遺伝子からシグナルが得られるか調べたところ、最終的に低酸素シグナルを検出することが可能なES細胞を選抜することに成功した。このレポーター遺伝子は、予備的な実験から、ヒトiPS細胞においても機能することが見出されている。また、細胞非自律的遺伝子の作用の検出が可能か調べるため、別種の細胞との共培養系を行ったところ、シグナルの変化を検出することができた。以上のことから、本研究を実施するために必要なツールの作成に成功し、また1例ではあるが、本研究の作業仮説が正しいことが示された。
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