2020 Fiscal Year Research-status Report
化学反応場における二次元材料を対象とした荷電粒子プロセスシミュレータの開発
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19K05192
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Research Institution | National Institute of Technology, Toyama College |
Principal Investigator |
多田 和広 富山高等専門学校, その他部局等, 准教授 (90579731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 義彦 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50285300)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 分子シミュレーション / 二次元材料 / 荷電粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、これまで開発した電子線照射の分子シミュレーションをイオンビームに拡張し、二次元材料に対して荷電粒子ビームが誘起する多彩で複雑な物理現象の機構解明のための理論解析と、二次元材料を制御性良く加工・改質するためのプロセス条件探索を行い、荷電粒子ビームと二次元材料の相互作用およびその応用技術についての科学的基礎を構築することを目的とする。 本年度は、拡張した計算プログラムを用いて、次世代半導体候補材料として期待されているグラフェンや二次元MoS2などの二次元材料にグラフェンの被膜を行い、イオンおよび電子照射に対するバリア性能評価を行った。二次元材料の層内および層間の相互作用を量子化学計算と同程度の精度を持つとされる同一の力場環境を用いることで、異なる力場間を人為的に接続させる補間を用いることなく、荷電粒子照射計算を行うことができた。また、グラフェン、MoS2ともにグラフェン被膜による荷電粒子ビームからの保護効果がみられ、報告されている実験結果ともおおよその一致を得た。今後は、被膜条件を変え、バリア性能を決める要因について、より詳細に調べていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
拡張したシミュレーションモデルをもちいて、報告されている実験結果とも一致する結果が得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度行った二次元材料に対するグラフェンの被膜による荷電粒子からのバリア性能について、被膜条件を変えてより詳細に検討していく。最終年度であり、得られた成果を論文や学会で発表していく予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ感染症の影響もあり、学会発表が例年より少なくなった影響と考えられる。次年度における学会および論文発表に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)