2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Gating Nanocylinder-channel Membrane by Introducing Thermo-responsive Polymer Block to the Interface of Microphase-separated Structure
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19K05212
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
波多野 慎悟 高知大学, 教育研究部総合科学系複合領域科学部門, 講師 (70397157)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 両親媒性ブロックポリマー / ミクロ相分離 / 液晶 / 感温性ポリマー / 透過膜 / ナノチャネル / ゲート機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
親水性ポリマーとしてポリエチレンオキシド(PEO)、ゲート機能感温性ポリマーとして側鎖にジエチレングリコールモノエチルエーテル基を有するポリメタクリレート(PDEGMA)、疎水性側鎖液晶型ポリマーとして側鎖にスチルベン骨格を有するポリメタクリレート(PMA(stb))といった3種の高分子ユニットから成る両親媒性トリブロックターポリマー(ATBP)を合成した。 前年度の研究では、作成した膜がPEOとPDEGMAから成る親水性ドメインが膜面内を貫通する形でシリンダー構造を形成していることを確認し、ローダミン6Gの透過実験により、シリンダー空間が温度応答性ゲート機能を示すことを明らかにした。 本年度の研究では、シリンダーがどの程度の大きさの分子まで透過できるのか、その分画サイズを検討するために、分子量約2000と11000のPEOを用いた透過実験を行った。分子量約2000のPEOはシリンダー内と透過することができ、ゲート機能の評価となる40℃と25℃での透過量の比は約1.87であった。前年度のローダミン6Gの透過における透過量の比は約1.92だったため、この分子量の領域ではゲート機能が十分に生きていることが分かった。分子量11000のPEOの透過実験では、40℃の条件でも透過を確認することができなかった。分子量2000と11000のPEOの流体力学半径はそれぞれ約1.1nmと3.0nmである。従って今回開発した膜では、3nm以上の粒子は透過できず、1.1nm程度の大きさの粒子であればゲートの開閉が機能することが示された。
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