2019 Fiscal Year Research-status Report
Conversion of energy and materials by twisting single wall carbon nanotube rope
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19K05215
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| Research Institution | Suwa University of Science |
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Principal Investigator |
内海 重宜 公立諏訪東京理科大学, 工学部, 教授 (00454257)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 単層カーボンナノチューブロープ / 捻じり / 機械的エネルギー貯蔵 / エネルギー変換 / エネルギー再生利用 / ナノ試験管 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は，化学・物理的修飾により単層カーボンナノチューブ（SWCNT）間を接合したロープを作製し，捻りによりSWCNTに貯蔵できる機械的エネルギーを大幅に向上させることである。また，貯蔵エネルギーを機械的・電気的エネルギー源として活用する方法，SWCNTをナノ試験管と捉え捻りで生じる高温・高圧によってSWCNTロープ内部で化学反応・物質変換を引き起こす方法を開発し，SWCNTをエネルギー・物質変換媒体として応用する可能性を探ることである。
化学的修飾としてレーザー光，フラッシュ光，マイクロ波照射および硫黄による架橋反応を，物理的修飾として熱可塑性ポリウレタン（TPU），ポリスチレン（PS）添加，炭素蒸着を行った。モーターによりSWCNTロープ試料を捻ったときに生じる引張力およびトルクから試料になされた仕事を計算し，重量で除して動的重量エネルギー密度（GED）とした。
TPUやPSをバインダーと添加すればGEDの向上に効果が得らえる。炭素蒸着を施すとGEDの平均値は0。70 MJ/kg，最大値は1。3 MJ/kgでリチウムイオン電池（LIB：0.72 MJ/kg）に匹敵した。物理的修飾したSWCNTロープにマイクロ波照射した試料が最大のGEDを示し，平均値は0.69 MJ/kg，最大値は2.1 MJ/kgとLIBの約3倍を示した。電子顕微鏡観察からTPUがSWCNTロープを均一にコーティングしていることが分かり，マイクロ波照射の効果が確認された。
貯蔵エネルギー再生利用のため，捻りによりエネルギー貯蔵したSWCNTロープ試料が外部へ行う再生エネルギーの評価を，試料を固定する治具が逆回転する様子をハイスピードカメラで撮影し行った。どの試料においても再生率は2%程度であったが，1年目に再生率を測定する方法を確立したことは意義のあることである。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度の課題実施において，化学的修飾としてレーザー光，フラッシュ光，マイクロ波照射および硫黄による架橋反応を検討し，物理的修飾として熱可塑性ポリウレタン（TPU），ポリスチレン（PS）添加，炭素蒸着を検討した。様々な修飾方法を幅広く検討した結果，TPU添加とマイクロ波照射，および炭素蒸着が特に貯蔵重量エネルギー密度の向上に効果があると選定でき，平均値で0.70 MJ/kg，最大値で2.1 MJ/kgとほぼ目標値であるリチウムイオン電池（LIB）の3倍ほどの値を得ることができた。今後は安定してLIBの3倍の値が得られる試料作製法を確立する。また，再生利用率は小さかったものの，捻じりによりSWCNTに貯蔵したエネルギーの再生利用率を測定するシステムを構築できたこと，さらに，リチウムフタロシアニンをプローブとして用いて高温・高圧によってSWCNTロープ内部で化学反応・物質変換を引き起こし，SWCNTをエネルギー・物質変換媒体として応用する検討も一部開始できたことから，課題は概ね順調に進んでいると言える。
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| Strategy for Future Research Activity |
2019年度の研究課題では，捻りによりSWCNTに貯蔵できる機械的エネルギーは平均値でリチウムイオン電池（LIB）と同等，最大値でLIBの3倍ほどの値を得ることができた。今後の課題は再現性である。平均値でLIBの3倍値を得られるように，TPUの添加量およびマイクロ波照射出力・時間，炭素蒸着量などの条件を詳細に決定する予定である。その他向上させる方策として，ヘキサカルボニルクロムによるSWCNT同士の接合を試みる。
貯蔵エネルギーの再生利用率向上のためには，上記方法でLIBの3倍ほどの値を得たSWCNTロープ試料を用いれば，数10%まで向上すると考えている。昨年度の研究課題で構築したシステムを用いて数10%の再生利用率を目指すとともに，作製したSWCNTロープ試料を用いた小型の糸巻き車の製作を試みる。
SWCNTの捻りによる物質変換の検討として，高圧高温化で化学反応を起こす1,2-epoxycyclohexaneやリチウムフタロシアニンをSWCNTロープに導入して捻り試験を行うことを検討している。1,2-epoxycyclohexaneは反応後trans-1,2-cyclohexanediolに変化するため赤外吸収スペクトルで検出可能である。リチウムフタロシアニンは分解し金属リチウムに変換されると考えられる。この際の捻り工程は赤外線カメラで撮影する。
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Research Products
(1 results)
