2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of platform for electrochemiluminescence immunoassay using graphene transparent electrode
Project/Area Number |
19K05218
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
渡辺 剛志 青山学院大学, 理工学部, 助教 (30803506)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | グラフェン / 電気化学 / 電気化学発光 / 透明電極 / 免疫分析 / POCT |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度の主な研究成果を以下に示す。 (1) 表面修飾法の検討 単層グラフェンに共有結合性の表面修飾を行うとグラフェンの導電性が損なわれる課題があったが、単層グラフェンの重ね転写により作製した2層グラフェンでは共有結合性修飾後も高い導電性と光学的透明性が維持された。さらに磁性ビーズ法の代替となる電極表面への修飾手法として、カーボンナノチューブ(CNT)とポリアリルアミン(PAMAN)をリンカーとして用いる手法を検討した。CNT表面にカルボキシル基を形成後、PAMANとアミド結合させ、さらにNHS基の付加したRu錯体をPAMANと結合させることに成功した。これをグラフェン表面に修飾することで、光学的透明性を維持しながら多くの抗原の表面修飾が可能となる。 (2) がんマーカー(CEA)の定量分析の達成 Ruビピリジル錯体/トリプロピルアミン(TPrA) ECL測定系において、グラフェン電極はグラッシーカーボン(GC)と同じような挙動を示すことを明らかにした。また透明電極の特質により容易にECL捕集効率を高めることができ、GC電極に比べてRu錯体がより低濃度の条件でも測定できることを示した。またTPrA濃度(一般的に100 mM以上)を10 mM とすることで、Ru錯体が含まれない状態でのバックグラウンド発光を大きく抑制できることを示した。この条件で磁性ビーズを用いたECL法を行い、グラフェン電極を用いてがん胎児性抗原CEAを測定し、ヒトの基準値以下の濃度範囲である0.2~4 ng/mlで定量できることを示した。 CVD法により作製したグラフェンを電気化学発光免疫分析法(ECL法)へ使い捨ての透明電極として利用する本研究の展開により、抗原や抗体を定量分析できる高感度な迅速簡易測定システムが構築できると期待される。
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