2019 Fiscal Year Research-status Report
金担持，銀担持チタン酸ナノシートを用いた蛍光増強薄膜の作製
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19K05221
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| Research Institution | Kawasaki Medical School |
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Principal Investigator |
吉岡 大輔 川崎医科大学, 医学部, 助教 (40638318)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | ナノシート / プラズモン / アニオン |
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| Outline of Annual Research Achievements |
チタン酸ナノシート(TNS)への金，銀の担持は，TNSの光誘起酸化還元反応により起こっていると考えられる。研究代表者である吉岡は，TNS分散液の酸化還元的雰囲気をコントロールすることで，特に，犠牲剤や還元力の高い物質の添加で，金や銀の担持量の増減や金担持TNS，銀担持TNSが示す表面プラズモン共鳴(SPR)の強さを制御できると考えた。そこで，TNS分散液に任意量のハロゲン化水素酸(HX=HF，HCl，HBr，HI)を添加し，これらの存在が金や銀の担持に及ぼす影響について，検討を行った。
TNS分散液にHXの添加を行うと，添加量の増加に伴いpHの減少がみられ，その変化量にはHXの違いは見られなかった。HF添加では，分散液中のTiの濃度と同程度の添加を行ってもTNSの凝集は見られなかった。HCl，HBr添加では，Tiの濃度に近づくにつれてTNSの凝集が起こり，HIの添加では少ない添加量でも凝集，ゲル化を生じた。HXの添加によるpHの変化量に違いがないことから，ハロゲン化物イオンの大きさが凝集に影響すると考えられる。
凝集が起こらない範囲でHXを添加したそれぞれのTNS分散液を用いて，金や銀の担持を行った。還元的雰囲気の影響を受けやすい金担持において，HBr，HCl，HF存在下では，添加量の増加に伴いSPRによる吸収が大きくなった。特に，HBr添加の効果が最も大きくなった。一方で，銀担持においてはHCl，HFの添加の効果は金担持と同様であるが，HBrの添加による効果はほとんど見られなかった。
TNSの水分散性に対する影響と還元力を鑑みると，HCl，HFの添加は金，銀担持TNSの調製には有効である。これらの研究結果は，日本化学会第100春季大会(誌上開催)で発表した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画当初は，2019年度にガラス基板上への製膜，蛍光色素の発光強度の影響の調査を行う予定であったが，蛍光光度計に接続する光路およびそれらの冶具の発注の遅れなどにより，発光強度への影響の調査が行えていない。
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| Strategy for Future Research Activity |
初年度の遅れの原因であった光路および冶具の発注を速やかに行う。また，本研究に関連した内容で，岡山県工業技術センターとの共同研究の契約が締結されるため，本学が所有していない機器の利用が円滑に行えるようになる。スピード感をもって，研究に取り組む。
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| Causes of Carryover |
蛍光光度計に接続する光路およびそれらの冶具の発注の遅れなどにより，発光強度への影響の調査が行えていない。
増強効果について，蛍光光度計を用いた定量的な見積もりが必要なため，速やかに，光路およびそれらの冶具の発注を行う。
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