2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of MEMS Self-Destruction Design Technology for Secure IoT Devices
Project/Area Number |
19K05232
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
山根 大輔 立命館大学, 理工学部, 准教授 (70634096)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 金合金 / MEMS / 可動配線 / 疲労破壊 / セキュア / IoT / 自壊 / 電解めっき |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,小型IoT(Internet of Things)デバイスにおけるハードウェア寿命の設計技術の確立である。IoTデバイスの電子回路内ハードウェアに自壊時限を設定したマイクロ可動素子を組み込むことで,役目を終えたデバイスが自壊し,使用不能となることを目標とする。
2020年度では,MEMS(Microelectromechanical Systems:微小電気機械システム)技術を用いて,自壊素子となるマイクロ可動配線構造の機械設計とフォトマスクレイアウトおよびフォトマスクの作製を行った。さらに,2020年4月に研究代表者の所属機関が変更されたことに伴い,これまで利用していた外部ファウンダリではなく,研究代表者の所属機関が有するクリーンルームと半導体プロセス装置を用いて,自前のMEMSプロセスの開発を行った。マイクロ可動配線の設計では,機械特性評価としてレーザドップラ振動計を用いた実効ヤング率評価も行うことを想定して,各構造パラメータを決定した。プロセス開発では,電解めっきプロセスによる合金形成を想定して,フォトレジストを用いた微小なめっき用モールドを形成するためのMEMSプロセスを設計し,各工程の条件出しを行った。プロセス開発と並行して,新しい合金材料の開発にも着手した。めっき技術については研究協力者と連携して研究開発を進めている。当該年度内の成果として,(1)従来よりも厚膜のめっきMEMS構造体を用いることで,振動型MEMS素子の性能向上が見込めることを解析的に示した。また,(2)共同研究成果としてNi系の新しいめっき合金材料の機械特性評価を行った。これらの学術的な成果は,今後のめっきMEMS素子開発にも有用な知見である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定の2020年度目標到達点は,Au合金マイクロ可動配線の設計・試作を行うためのマイクロAu合金材料の機械特性の評価である。Au合金については2019年度までにヤング率や強度,形状安定性,長期安定性などの評価を実施済みである。2020年度は,Au系以外のめっき合金材料についてもマイクロ構造体を用いてこれまでと同様の実験を行うため,新たなMEMSプロセス開発にも着手した。2020年4月の研究代表者の異動に伴い,所属機関が変更されたため,これまで利用していた外部ファウンダリではなく,研究代表者の所属機関が有するクリーンルームと半導体プロセス装置を用いて,自前のMEMSプロセスの開発を行っている。さらに,コロナ禍のため新しい所属機関での研究環境立ち上げにも想定外の時間を要した。これらは当初予期していない状況であるが,2020年度の研究活動でも新たな知見を得ており,研究は進展している。また,合金材料開発も研究協力者と連携して進めている。 新たに開発中のMEMSプロセスでは,フォトリソグラフィの条件出しは完了しており,めっきシード層の成膜条件について最適化を実施中である。新しい合金材料の開発では,研究協力者と連携した研究開発により,Ni系の新たな合金材料について機械特性評価が進んでいる。2021年でも引き続き,プロセス開発,および,試作サンプル評価を続けるが,本研究課題はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策は,(1)Ni系合金マイクロ可動配線の設計・試作とS-N曲線の評価,そして,(2)MEMS自壊の等価回路モデル構築である。各項目概要を以下に述べる。 (1)Ni系合金材料のマイクロ構造体を評価して得られた機械特性を用いて,Ni合金マイクロ可動配線の設計・試作を行う。さらに,疲労破壊のモデル化に向けて,S-N曲線を実験的に評価する。構造体作製プロセスでは,研究代表者の所属機関である立命館大学のMEMS試作プロセス設備を利用する。構造体の評価には,研究代表者および研究協力者の実験装置を利用予定である。 (2)SPICE系回路シミュレータで解析可能な等価回路モデルを構築することで,ハードウェア自壊寿命の統合設計環境の構築を検討する。研究代表者はこれまで,SPICE系回路シミュレータで機械素子と電子回路の挙動を同時に解析可能な設計環境の開発に携わった経験があるため,その経験を活かし,最終的には汎用性の高い設計環境構築を目指す。モデル化においては,実験で得られたNi合金材料の機械特性などを用いて検討を進める。
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Causes of Carryover |
当該年度で予定していた出張(学外研究,学会参加)がコロナ禍でキャンセルになったため,次年度使用額が生じた。次年度にはこの予算を用いて,実験の消耗品を中心に使用し,研究進展を加速予定である。
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Research Products
(16 results)
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[Presentation] A 100-nG/√Hz-Level Single Au Proof-Mass 3-axis MEMS Accelerometer with Pillar-Shaped Electrodes2020
Author(s)
Takashi Ichikawa, Ken Atsumi, Tatsuya Koga, Daisuke Yamane, Shin-ichi Iida, Hiroyuki Ito, Noboru Ishihara, Katsuyuki Machida, and Kazuya Masu
Organizer
Design, Test, Integration & Packaging of MEMS/MOEMS(DTIP2020)
Int'l Joint Research
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[Presentation] Effects of Sample Geometry and Grain Size on Mechanical Property of Electrodeposited Gold Evaluated By Micro-Bending Test2020
Author(s)
Kosuke Suzuki, Yu-An Chien, Ken Hashigata, Keisuke Asano, Chun-Yi Chen, Tso-Fu Mark Chang, Daisuke Yamane, Hiroyuki Ito, Katsuyuki Machida, Kazuya Masu and Masato Sone
Organizer
PRiME 2020 (ECS, ECSJ, & KECS Joint Meeting)
Int'l Joint Research
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