2021 Fiscal Year Annual Research Report
金属マルチナノポア構造を用いた波長可変量子ドットレーザーの創生
Project/Area Number |
19K05234
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
龍崎 奏 九州大学, 先導物質化学研究所, 助教 (60625333)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | プラズモン / 量子ドット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、金属マルチナノポア構造と量子ドットを組み合わせることで、新しい原理に基づく「波長可変レーザー」の技術開発と原理構築を行う。具体的には、直径100 nm程度の金属マルチナノポア構造を量子ドットが分散している溶液で満たし、量子ドットからの発光をナノポア構造とプラズモン共鳴させることでレージングさせる。三原色RGBに対応した3~7種類の発光特性を有する量子ドットを用い、さらにそれらの発光特性に対応したプラズモン共鳴波長を有する数種類のナノポア構造(共鳴波長は直径に依存)を同一基板上に作製する。そして、溶液中における各量子ドットの存在比率を調整することでレーザー波長を変化させる。本レーザー技術はLEDに変わる高効率照明としてや、ペタビット通信を可能のするコア技術として期待でき、本研究によって次世代光源の技術創生を目指す。 最終的に本研究では、主に以下の実績が得られた。「1. 量子ドットの発光特性を合成後に制御する方法の開発」、「2. プラズモニックナノポアの構築」、「3. 金属-有機界面電子状態とプラズモン共鳴の相関性解明」、「4. プラズモニック金属マルチナノポア構造を用いることで量子ドットからのFabry-PerotライクなLasing」。特筆すべきは3番と4番の成果であり、3番に関しては長い間解明されてこなかった 金属-有機界面電子状態とプラズモン共鳴の相関性を解明したことで、Chemically Induced Permittivity Change Effect (CIP効果)という新しい現象を発見し、nature publishing groupのCommunications Materialsに掲載された。また、4番の成果に関しても我々が知る限り本手法によるFabry-PerotライクなLasingは報告されていない。
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