2021 Fiscal Year Annual Research Report
三元系ミスフィット層状化合物の単結晶育成と新規機能の開拓
Project/Area Number |
19K05248
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
長尾 雅則 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (10512478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出村 郷志 日本大学, 理工学部, 助手 (90734939)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ミスフィット層状化合物 / フラックス成長 / 走査トンネル分光法 / 超伝導 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度(最終年度)は, (SnSe)n(NbSe2)系ミスフィット層状化合物の単結晶育成を行い, n=3,5について単結晶の育成が確認され, 超伝導転移も観測された. n=3,5については, 薄膜での報告はあるが, バルク単結晶は初めての育成となる. さらに薄膜とは異なった超伝導特性(特に転移温度が大きく異なる.)が観測され, 現在も結晶構造を含めた物性の解析を進めている. これと並行して行ったNb-Pb-S系ミスフィット層状化合物の単結晶育成研究の過程で, Pbが還元剤として働き, 単結晶育成に用いるフラックスを還元することを新たに見出した. 具体的には, Pbがフラックスとして用いたアルカリ金属塩化物を還元し, アルカリ金属をNb-S系化合物中にインターカレーションされるといった現象を見出した. Pbの代わりにCdにすることで, より大きな単結晶が得られることもあきらかとなった. この知見を元に新たな単結晶育成手法の開発を進めている. 走査トンネル分光の実験については, 測定系の改善を進め, 上記のミスフィット層状化合物単結晶について分光実験を行っている.
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Research Products
(5 results)