2022 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of molecular flow devices for environmental gas exchange by self-standing thin films with nano through holes
Project/Area Number |
19K05274
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
川田 博昭 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 客員研究員 (90186099)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ナノ貫通孔 / ナノインプリント / アスペクト比増大 / 自立樹脂薄膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではナノ貫通孔付きの自立した樹脂フィルムをインプリント法により作製し、大気圧において分子流輸送でガス交換できる素子の開発を目的としている。2022年度は以下の技術開発を行った。 ①インプリント用ナノパターン付きレプリカモールドの作製:インプリント法ではモールドを直接樹脂フィルムに押し込むためモールドにダメージが入りやすい。このため高価なマスターモールドから複製したレプリカモールドの作製が大変重要である。0.3μmのホールパターンを持つマスターモールドからインプリント法とシリコン深堀エッチングを用いて0.3μmピラーパターンと0.3μmホールパターンを持つレプリカモールドを作製した。レプリカモールドのパターン深さはエッチング時間で決まる。パターンサイズは深堀エッチングを行う前にエッチングマスクとして用いたポリメタクリル酸メチル(PMMA)レジストを酸素プラズマでエッチングすることで制御できることを明らかにした。 ②アスペクト比増大プロセスの開発:インプリント法では樹脂に押し込んだモールドを樹脂から離型する必要がある。アスペクト比の大きなパターンはパターンサイズに比べてパターン深さが大きいため離型が容易でない。一方、貫通孔付きの自立樹脂フィルムの作製ではフィルム強度を確保するためにある程度のフィルム厚さが必要である。このためパターンサイズが小さくなるほどアスペクト比の大きなパターン作製が要求される。そこで昨年度開発したPMMAとポリスチレン(PS)の二層フィルムを用いたインプリント・フォトリソハイブリッドプロセスを用いてアスペクト比の増大を行った。この結果、直径1.7μm、深さ0.4μmのホールパターンから直径1.7μm、深さ2.0μmの垂直断面を有するホールパターンを得ることができ、プラズマプロセスを用いない簡便な方法でできるアスペクト比増大プロセスを開発した。
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