2020 Fiscal Year Research-status Report
Microwave cavity and absorption measurement of minute specimen for system integration
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19K05283
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
加藤 初弘 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (00270174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 和也 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (50335486)
加藤 初儀 苫小牧工業高等専門学校, 創造工学科, 教授 (80224525)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | マイクロ波 / 物性測定 / 物性測定 / 集積化 / 平面回路 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,マイクロ波領域における材料の物理的および化学的特性を測定できる平面回路の基礎検討を行うことにある.このとき,集積回路のような限られた空間にも設置できるように微少な試料に対応できる方法を探る.具体的には測定試料の周辺に局在波あるいは近接場を発生させることで特性を強調して測定できる技術を検討する. 2020年度は昨年度に行った局在波を含む波動現象の解析技術を発展させるとともに,Cバンド(4GHz程度)のマクロ波で稼働する平面回路および立体回路を試作した.なお,試料として水,エンタノールに加え創薬への応用が期待できるポリフィリンを評価した.これらは,欧文論文1編,国内学会発表1件にまとめられている.その概要は次のとおりである. 1)2次元の波動伝搬システムにおいて局在波の存在下でも効率的に数値解析が可能な境界条件の設定方法を開発した.疑似波面を解析領域を取り囲むように3重に設けるだけで局在波と進行波を分離できる境界条件であることから,従来方法と比較してコンピュータへの負担を低減することができる.即ち,試料周辺のごく限られた領域だけで解析モデルを作成することも可能な可搬性の高い方法である. 2)1~4GHz帯で稼働する円形電極で構成されたキャビティシステムを試作して,微少試料の誘電率と導電率を測定した.マイクロ波を試料の周辺に集中させることで,材料の物性が強調できることを確認できた.これに並行して,参照データの取得し測定の信頼性を確認するためるために,同軸導波路を用いた立体回路の装置も試作した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ感染の拡大により研究代表者が職場の防疫対策の実務を担うことになり,研究の調整や進捗管理が滞らざるを得なかった.装置の試作とその定性的な解析は9月の学会で発表できたが,当初夏までに予定していた試作装置の定量的な解析が11月にずれ込んだ.測定データの定量的な解析や装置改良の検討を開始しているが,これらの進捗を加速させる必要がある.
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Strategy for Future Research Activity |
2種類の試作装置(平面および立体キャビティ)で測定したデータの定量的な解析手法を完成させ,装置の改良案を策定するとともに新たな装置を作成・評価する.このために,高分子材料の切削加工が可能な装置を導入することで,PTFEなどを材料とする試料室や高機能の電極構造の検討を短期間で繰り返し実施できるようにする. 既存の試料室は粉末を対象としていたが,液体試料などにも対応することで測定対象を広げたい.また,電極の周辺を周回する回廊モード(WGM)の存在が明らかになっており,その特徴を生かした活用方法も検討に加える.
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Causes of Carryover |
コロナの防疫的な対応に忙殺されたことで当初予定していた定量的な解析手法の開発が遅れ,試作装置の改良に必要なデータ処理が停滞したことが原因.このため,試作装置の改良に必要な加工装置の仕様決定ができず発注ができない状態だった.現在は装置の仕様が決まっており,2021年度は早期にその導入を行い調整と稼働を行う.
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Research Products
(3 results)