2020 Fiscal Year Research-status Report
ダイヤモンド半導体結晶の非輻射型欠陥生成メカニズム解明によるデバイス特性の改善
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19K05293
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
毎田 修 大阪大学, 工学研究科, 助教 (40346177)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ダイヤモンド / 半導体物性 / 欠陥評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
マイクロ波プラズマCVD法によるホウ素ドープショットキーバリアダイオードデバイスの作製に着手した。高温高圧合成ダイヤモンド基板(面方位(100))上のホモエピタキシャル成長において、微量の酸素ガスを導入することで、不純物濃度約4×10^17cm^-3のホウ素ドープダイヤモンド膜を合成した。得られたダイヤモンド膜のカソードルミネッセンス評価では強い自由励起子およびホウ素の束縛励起子による発光が観測され、比較的高い結晶品質を有していることが示された。合成したホウ素ドープダイヤモンド膜にショットキー及びオーミック電極を構築することでショットキーバリアダイオードを作製し、電気的特性評価を行った結果、良好なダイオード特性が得られた。一方、開発した広帯域・高感度非輻射型欠陥評価系を用いた評価では光エネルギー約1.2eVに加え、約0.8eVの励起光照射による微弱な信号増加が見られた。そこで非輻射型欠陥評価系の励起光照射光学系として、非球面金ミラーを用いた光学系の導入を行った。その結果、評価エネルギー帯域が約1.9eV以下と狭くなるものの、大幅な照射フォトン密度の向上を得た。この非輻射型欠陥評価系をもちいた評価の結果、前述の約0.8eVの信号増加が価電子帯の上端から約0.8eVの深さに正孔トラップによるものであり、その欠陥密度が8×10^12cm^-3であることを明らかにした。また、前年度に着手した電子線照射制御システムへのカソードルミネッセンス評価光学系の付加を完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
広帯域・高感度非輻射型欠陥評価系の開発に関してはQTH光源の導入および非球面金ミラーを用いた光学系の導入により、当初予定通りの評価エネルギー範囲の広帯域化および照射フォトン密度の向上を得ている。さらに、ホウ素ドープダイヤモンドショットキーバリアダイオードの作製を行い、その非輻射欠陥評価に着手している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に従い研究を推進するとともに、金属-絶縁膜-ダイヤモンドデバイスの作製プロセスの検討を行い、ダイヤモンド/絶縁膜界面準位評価を試みる。
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Causes of Carryover |
低濃度ホウ素ドープダイヤモンド膜の合成に関して、合成時に微量の酸素ガスを導入することで不純物濃度の制御が可能になったため、購入予定の低濃度トリメチルボロンガス(5ppm)の購入が不要となり、物品費に未使用額が生じた。しかし、酸素導入にともない発生するオゾンによるマイクロ波プラズマCVD装置のターボ分子ポンプのメンテナンスが必要となることから、その費用に支出する予定である。
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Research Products
(2 results)