2019 Fiscal Year Research-status Report
Study on Spectroscopic Feature of Hybrid Randam Scatter Medium
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19K05310
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
興 雄司 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (10243908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 宏晃 九州大学, システム情報科学研究院, 助教 (20706882)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | シリコーン / 紫外線 / ミー散乱媒質 / DNAサンプル評価 / 波長フィルター |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度はRayleigh Gans Debve / Mie混合モデルを改良することを試み、モンテカルロシミュレーションを組み合わせることで、これまで得られた実権による特性により近い結果を得ることを試みた。特に長波長域では透過率が合わない問題がこれにより改善され、モデルの修正を行うことができる。この計算をより正確に行うため、実験による散乱角測定をフェムト秒レーザーを利用した紫外域(260-300nm)のコヒーレント分光光源を用いて計測した。この計測の結果、モンテカルロ計算に用いるランダムウォークに用いる屈折角をフィッティングにより求めることができた。 得られたモデル計算によれば、散乱粒子の粒径分布がフィルタのバンド幅に大きく影響する。現在のところ既存のCaF2粒子では本現象が再現できないため、本特性を再現できる高純度エキシマーレーザーグレードのCaF2を粉砕する条件を最適化する必要がある。この粉砕には水などは使用できず、低分子ジメチルシロキサンを溶媒としたボールミルやグラインダーにより現象が維持されることが確認できた。 更に低分子ジメチルシロキサンを溶媒とした沈殿分離および遠心分離を調査して、シミュレーションの示す最適平均粒径10ミクロンを分離精製するプロセスについても調査した。現在のところ歩留まりが悪く、平均粒径は1ミクロン程度から5ミクロン程度にまで増大させたにとどまっており、粉砕条件などの最適化が更に必要である。 さらに二年目に行うナノ粒子分散に向けての予備的研究も行った。ナノ粒子としてはTiO2のような高屈折ナノ粒子を分散したが、現状では0.1%以上の粒子濃度で凝集が生じてしまい、表面修飾と界面活性剤などを調査中である。本件を行う二年目の研究では濃度を上げることで、目的を達成したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
二年目に予定しているナノ粒子分散について、初年度1月より着手できた。
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Strategy for Future Research Activity |
ナノ粒子分散については、早めに着手し、透過波長制御は確認できたものの、凝集問題があることが判明し、現在のところ良好な高濃度分散条件が見いだせていない。今後、界面活性剤および表面修飾も試みることで、凝集を回避し、特性を改善したい。また、三年目に予定している量子ドット分散についても、予備実験では、ドープ濃度がどうしても不足することがわかってきた。実施計画でも三年目は技術的課題が多く、対象スクリーニングについては色素分子などの高い吸収が期待できる材料にもターゲットを拡張し、て二年間から積極的に予備調査をやっていく。
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Causes of Carryover |
当初予定ではシミュレーションモデルの調整のため、紫外光散乱特性の計測のための光学系を新たに構築する予定であったが、学内の共用設備を活用することでこれらの調達を本年度は行わずに測定を実施する事が最終的には可能となった。一方、予定していた学会参加の旅費支援が受けられず、最終的には旅費と学会参加費は当初予定額を超えた。しかしながら、本年度の計測には問題なかったものの、散乱角の計測精度の向上が次年度には必要になることが明らかになったため、そのために次年度使用額分によって光学系を構築する予定である。
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