2021 Fiscal Year Annual Research Report
石油のメタン発酵による石油増進回収-CO2フリー水素供給源創出の可能性の検証
Project/Area Number |
19K05347
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
中村 浩平 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (40456538)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | CO2フリー水素 / メタン生成アーキア / 嫌気的原油分解 / CO2回収貯留 |
Outline of Annual Research Achievements |
①石油のメタン発酵微生物群のコア生物群の特定 申請者が有する石油分解メタン発酵微生物群において,アルカン分解に関わると推定されるProteobacteria門細菌が少なくとも2種存在することが明らかになった。これらのProteobacteria門細菌について,そのメタゲノム情報からプロピオン酸の代謝経路の存在が明らかとなった。 そこでプロピオン酸を添加した培養系でアルカン分解に関わると推定されるProteobacteria門細菌の分離を試みた。プロピオン酸の培養系からメタン発酵が確認され,その系内に存在する細菌について16Sアンプリコン解析を行った。そこには,アルカン分解に関わると推定されるProteobacteria門細菌とは異なる既知のプロピオン酸分解共生細菌が優占した。cDNAを用いた嫌気的アルカン分解の初発酵素遺伝子(assA)のアンプリコン解析を行ったところ,分解されるアルカン分子種によって異なるassA分子が発現し,多様なassA(それをもつアルカン分解細菌)が協働してアルカン分解を担うことが示唆された。 Aminicenantes門細菌のメタゲノム解析から,フルクトースらの発酵利用が示唆された。また,βラクタム系抗生物質耐性に係わる遺伝子を有していたため,フルクトース等,アンピシリンを添加した嫌気半固体で分離培養を試みた。しかしながら,Aminiecenantes門細菌の分離に至らなかった。 ②高圧CO2条件下における石油のメタン発酵微生物群への影響評価 高圧容器におけるメタン発酵は明らかなメタン発酵は見いだせなかった。植菌に用いたアルカン分解メタン発酵培養系は,高圧CO2条件下でのメタン発酵に適していない可能性が考えらえれた。
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