2019 Fiscal Year Research-status Report
溶融塩高温蓄熱プラントの圧力管理を目指したレーザ加工耐熱FBGセンサの活用
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19K05359
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
西村 昭彦 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 福島研究開発部門 福島研究開発拠点 廃炉国際共同研究センター, 研究主幹 (90370452)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 耐熱FBGセンサ / 廃止措置 / 蓄熱プラント / レーザー加工 / 歪み測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は、ピコ秒レーザー加工装置を活用して耐熱FBGセンサの製作を行った。また、加工したセンサの社会実装の一例として、東京理科大学野田キャンパスに建設中の建築工学科実験建屋の鉄筋コンクリート支柱の補強に使用される鉄筋に対して銀ナノコロイド接着剤を用いた接着を行った。建屋は完成し、地震や荷重による変形が観測されている。この成果については、光技術コンタクト誌への投稿準備中である。
また、現在我が国で原子炉の廃止措置が進められている。廃止措置で発生する大量の廃棄体の総量を減らすことと再生可能エネルギーの普及促進を一挙に解決する手段として、高速増殖原型炉もんじゅを取り上げ、この2次系ナトリウムループを改造して蓄熱プラントとして活用することを提案した。この蓄熱プラントの配管の熱膨張の計測に、ここで開発したFBGセンサが活用できる。本提案は、「原子炉廃止措置の理想、解体せずに再利用が最善」というタイトルで、日本原子力学会アトモス2月号、P.48-49、2020に掲載された。日本原子力学会の会長の推薦を得た。
上記を進めるにあたり、日本原子力研究開発機構の施設共用制度を活用した。敦賀総合研究開発センターのピコ秒加工装置においては、さらなる高性能化の目途を得た。次年度の溶融塩加熱炉のため、ダイヤフラム及びステンレス容器の製作を行った。ダイヤフラムはステンレス製でレーザー加工切り抜きとした。容器内部に充填する溶融塩にはアルゴンガスにより圧力をかけ、ダイヤフラムを変形させる。耐熱FBGセンサはダイヤフラム外側に銀ナノコロイド接着剤で貼り付けを行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和元年度においては、原子力学会がコロナウイルスの影響を受けて中止となったため、予定していた成果発表ができなかった。しかしながら、当初計画どおりに耐熱FBGセンサの製作及び溶融塩加熱炉の設計が進んだことにからおおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は当初計画に基づき、令和元年度に製作した耐熱FBGセンサの狭帯域化を試みる。また、これまでのセンサ製作技術の高度化を行い、反射波長の光源帯域全域網羅化を行う。加えて、ナノコロイド銀接着剤の耐熱性を確認する。さらに、令和3年度に予定している溶融塩加熱のための電気炉製作に向けた詳細設計を行う。
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Causes of Carryover |
令和元年度に予定していた、原子力学会での成果発表がコロナウイルスの影響により中止となったため、次年度使用額が生じた。次年度使用額は、令和2年度研究費と合わせて、旅費や成果発表に係る費用として使用する。
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