2019 Fiscal Year Research-status Report
地下資源開発・地下空間利用のための、小規模構造を再現する模擬実験材料の開発
Project/Area Number |
19K05360
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
山田 泰広 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 研究プラットフォーム運用開発部門, 室長代理 (20362444)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | モデル実験 / 断層 / 新材料 / 地質学 / 地下資源 / フラクチャー |
Outline of Annual Research Achievements |
地下資源の探査と開発を進めるためには地下地質構造を正確に把握する必要があり、物理探査データを地質解釈するために数km規模の断層や褶曲などの地質構造を実験室で模擬的に再現する縮小モデル実験が行われてきた。本研究では、新たな実験材料を開発して数m程度のズレを持つ断層を含む地質構造を実験室で再現し、地下のどこにどのような小断層が存在するのかを明らかにすることを目的としている。 研究初年度として本年度は、ロンドン大学ロイヤルホロウェイ校アダム教授を訪問し、共同で研究作業を開始した。まず、候補と考えている材料を数種類試作して、同校が所有する試験機を使用して、その物性を高精度で計測した。この材料は乾燥砂に石膏などの粉体を少量添加し、それに少量の水分を加えることで砂材料の固着強度を1-2桁程度増加させることを狙っている。また、この物性の妥当性を評価するために簡単な変形実験を行った。その結果、変形挙動が期待された範囲内にあり、小断層などが狙い通りに再現できることが分かった。一方、物性計測値が計画したものよりもやや大きいことが分かったほか、材料の作成方法や実験装置への組み込み方法には工夫が必要ということも明らかとなった。現地での議論の結果、この材料の物性と作成方法の妥当性を評価するためには、詳細な内部構造を把握することが必要という共通理解となったことから、作成した試料の一部を日本に持ち帰った。今後、マイクロフォーカスX線CT計測装置などを使用して詳細な観察を試みる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ロンドン大学との共同研究体制を確立できたこと、計画通りに計測・実験作業が進捗したことから、概ね順調に進捗していると評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス関連で2020年度の現地作業の日程が延期となった。成果発表を計画していたモデル実験に関する国際会議も2020年7月から2021年9月に延期となったことから、研究計画全体が遅延することが予想される。2020年度は遠隔会議形式でロンドン大学との議論を進めるほか、当面の間、現時点までの成果をまとめた論文執筆に注力する方針である。
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Causes of Carryover |
ロンドン大学で作成した試料の内部構造を詳細に調査するため、高知大学に出張して同大学が所有する高解像度X線CTスキャナを用いて観察・解析を実施する予定であったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、出張を次年度に延期することになった。同ウイルス関連の沈静化を待って、次年度に高知大学に出張し、作業を実施する計画である。
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Research Products
(8 results)