2022 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on Physical Properties of Aerosol Liquid Droplet Based on Laser Trapping - Microspectroscopies
Project/Area Number |
19K05361
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
喜多村 昇 北海道大学, 理学研究院, 名誉教授 (50134838)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 篤志 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (90379553)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | エアロゾル液滴 / レーザー捕捉・顕微分光 / 過冷却液体 / 液滴サイズ依存性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021~2022年度においては、レーザー捕捉した単一エアロゾル水滴粘度の液滴サイズ依存性を明らかにする研究を行った。自作した測定チャンバー中においてレーザー捕捉法により2マイクロメートル程度のエアロゾル水滴を捕捉し、この捕捉水滴に浮遊している水滴を衝突させる事により直径2から5マイクロメートルサイズの水滴を作製・捕捉することに成功した。また、水滴中に溶解させたローダミンB(RhB)蛍光のwhispering - gallery共鳴スペクトルから水滴サイズをナノメートルオーダーの精度で決定した。更に、水滴中のRhBの蛍光寿命および回転緩和時間の測定に基づき、水滴中の液体粘度を見積もった。その結果、20度Cのバルク水の粘度は~1.00であるのに対し、半径 r = 3.18~5.12マイクロメートルの水滴粘度は0.73~3.56 CPとなり、水滴サイズの減少と共に液体粘度が上昇することを見出すとともに、水滴粘度は液滴半径に逆比例する事も明らかにした。これらの実験結果を水滴/空気界面に発生するラプラス圧および水滴表面層における水の構造の特異性から考察した。以上の研究結果はPhys. Chem. Chem. Phys.誌にフルペーパーとして纏め、現在、論文投稿中である。 以上の研究結果の他、研究期間を通して空気中のジメチルスルホキシド(DMSO)液滴の過冷却状態やDMSOおよびエタノール液滴粘度の特性等についても明らかにすることができた。コロナ禍における研究環境の悪化により1年間の研究期間延長をせざるを得なかったが、本研究課題を遂行することにより、単一微粒子のレーザー捕捉・顕微分光法はエアロゾル液滴物性や化学・物理特性を明らかにするための有力な手法であることを示すことができた。
|