2019 Fiscal Year Research-status Report
Study of corrosion protection mechanism using electrical potential oscillation on interface between oil and water
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19K05370
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
砂田 聡 富山大学, 学術研究部都市デザイン学系, 教授 (00206575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畠山 賢彦 富山大学, 学術研究部都市デザイン学系, 准教授 (30375109)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | マグネシウム合金 / 焼結材料 / 某製油 / 電位自励発振 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,これまで防錆油の防錆能力を目視による錆発生時までの時間で評価してきたが,錆発生を認識する際には個人差があり,信頼できる値がなかなか取れなかった.そこで新しく開発した水膜試験法では再現性のある測定が可能になった.具体的には,実験開始初期には電位自励発振現象が発生し,電位は大きく変動する.この間は防錆能力が維持していることをさらに確認できた.電位自励発振現象後は,小さな電位変動を伴いながら徐々に電位が低下し,防錆能力の低下が見られるが錆の発生はなく,防錆能力が維持されている.その後,電位が防錆油塗布なし時の浸漬電位に近づきこの時小さな電位変動がなくなると錆が必ず観察される. この防錆油の防錆能力劣化現象の可視化は,防錆油の開発にはタイムリーに生きた情報をもたらしている. 当初,実験開始後から発生する電位自励発振現象は,Fe-Cu-Cに対するものだけであったが,実験を重ねると他の実用合金にも見られ,防錆油の粘度および界面活性剤に由来することが,現在優位に考えている.特にマグネシウム合金の防錆油の劣化特性を調べたが,マグネシウム合金防錆に適合する高性能油は,実験開始後から電位自励発振現象が発生し,錆の発生までの防錆能力劣化現象が可視化できた.一方,マグネシウム合金防錆に適合しない防錆油は,実験開始直後から電位自励発振現象は見られず,マグネシウム金属由来の低い電位を示し,短時間で錆が発生した.この水膜試験法によって金属種に適合した防錆油であるかどうかの判別ができるとともに,マグネシウム合金専用の高性能の防錆油開発が可能になっている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Fe-Cu-C焼結材料に対して開発した水膜試験法は,マグネシウム合金専用の防錆油の選定および高性能化に貢献が予想される.
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Strategy for Future Research Activity |
マグネシウム合金の他の材料である銅合金に対し,最適な防錆油の開発に役立つ水膜試験法を模索する.
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Causes of Carryover |
予定していた消耗品が他の予算でまかなえたので,未使用額が発生した.次年度の物品購入に使用予定である.
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