2021 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding the nature of ionic liquid through intermolecular vibrations by time-domain vibrational spectroscopy
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19K05382
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
城田 秀明 千葉大学, 大学院理学研究院, 准教授 (00292780)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | フェムト秒ラマン誘起カー効果分光 / イオン液体 / 分子液体 / リドカイン塩酸塩水溶液 / 低振動数ラマンスペクトル / 分子間振動 |
Outline of Annual Research Achievements |
R3年度はイオン液体と分子液体(ホルムアミド,N-メチルホルムアミド,N,N-ジメチルホルムアミド)の混合溶系の分子間振動について検討した。ここで得られた知見は,現在論文を執筆中である。この系を含めイオン液体-分子液体の混合系は佐賀大学高椋教授と共同して研究を進めているが,メタノール,アセトニトリル,ジメチルホルムアミドの系について官能基レベルに関する知見を発表することができた(J. Phys. Chem. B 2021, 125, 13896)。 また,液体高分子であるポリエチレングリコール(Mn = 400)とイオン液体の混合溶液についても検討を行った。モノマーであるエチレングリコールや分子量の大きなポリエチレングリコール(固体高分子,Mn = 4000)との比較も行い,Kankan Bhattacharya Festschriftに発表した(招待執筆,J. Phys. Chem. B 2021, 125, 12006)。 イオン液体の分極率と双極子応答の比較に関しては,神戸大学富永教授,太田准教授と共同して研究を進めている。実験結果についてより詳細な解釈をするために分子科学研究所石田助教にMDシミュレーションを依頼している。 高温で液体になる局所麻酔薬リドカイン塩酸塩(イオン液体薬物)の水溶液は信州大学佐藤教授と検討を行った。X-線と光散乱から水中で非常に小さなミセル状会合体を形成していることを見出し,分子間振動と構造緩和の濃度依存性と定性的に一致した(J. Phys. Chem. B 2022, 126, 1787)。 その他には,分子液体・イオン液体の低振動数スペクトルについて書籍の1章に総説として発表した(Molecular Basics of Liquids and Liquid-Based Materials, Springer, 2021, Chapter 7)。
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