2019 Fiscal Year Research-status Report
計算科学による分子自動探索技術の開発と次世代太陽電池への応用
Project/Area Number |
19K05390
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
今村 穣 首都大学東京, 理学研究科, 客員教授 (60454063)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 分子自動生成 / 逆問題 / 有機薄膜太陽電池 / インフォマティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、これまで開発してきた自動探索スキームを基盤に、特定の物性を示す分子を自動探索可能なプラットフォームを開発する。さらに、次世代太陽電池材料である有機薄膜太陽電池に適用し、新材料を提案する。 これまでモンテカルロ木探索に基づく分子生成を有機小分子で検討をしたところ類似分子を大量に生成することがわかった。これは、強化学習の段階で特定の分子のパーツだけが評価されているためと考えらえる。そこで、局所的な構造のみの探索になる場合に別の構造を検討するスキームを検討中である。これまでの検討は小分子だったため、さらに有機薄膜太陽電池材料となる大規模分子に関する検討も行い、数値検証を推し進めていく予定である。一方、励起エネルギー、振動子強度や親水性などの特定の物性を再現する分子の生成はある程度可能なことがわかった。しかし、複数の物性を再現を試みる場合はその拘束条件の導入に工夫が必要であることがわかった。更に、有機薄膜太陽電池に重要となる電子移動度や分子構造の形に関する条件を満たすような分子生成も今後検討する予定である。分子生成自体は短時間で遂行可能であるが、電子状態計算は計算コストが高い。そのため分子物性の評価に必要な電子状態計算の手法レベルを適切に選択することが重要であることもわかった。最終的には、高速に分子生成が可能となるような分子パーツベースの分子生成や大域的な分子探索が可能とするアルゴリズムの導入により、有機薄膜太陽電池の候補分子を自動探索可能なプラットフォームを開発する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
有機小分子に対して分子自動生成に関する数値検証を行ったころ、局所的に安定な構造を探索する傾向があることがわかった。一方で、目標物性を再現する分子の生成はある程度可能なことがわかった。分子生成の問題点を数値検証を基に解明することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き分子生成手法の数値検証を行う。数値検証に基づき分子生成アルゴリズムを改良し、最終的には、特定の物性を示す分子を自動探索可能なプラットフォームを開発する。
|
Causes of Carryover |
研究計画が予定通りに進まなかったため予算の使用が進まなった。次年度もコロナウイルスの問題などもあるができる限り予定通り研究を遂行し予算を使用する予定である。
|
Research Products
(2 results)