2022 Fiscal Year Research-status Report
計算科学による分子自動探索技術の開発と次世代太陽電池への応用
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19K05390
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
今村 穣 東京都立大学, 理学研究科, 客員教授 (60454063)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 分子自動生成 / 逆問題 / 有機薄膜太陽電池 / インフォマティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、これまで開発してきた自動探索スキームを基盤に、特定の物性を示す分子を自動探索可能なプラットフォームを開発する。さらに、次世代太陽電池材料である有機薄膜太陽電池に適用し、新材料を提案する。 光物性をターゲットとしてモンテカルロ木探索に基づく分子生成の検討を行い、おおよそターゲット物性を再現する分子の作成に成功し、その成果を論文に発表した。本年度は、強化学習を用いた別の分子生成アルゴリズムにおいても分子生成を検討した。単純な有機分子で検討したところ、満たすべき物性条件を再現する妥当な分子を生成できることを確認した。次に、光電変換効率が20%近くを示す有機薄膜太陽電池のドナー・アクセプターの非フラーレンアクセプター(NFA)に関して検討することにした。ドナー・アクセプター型のNFAが満たすべき条件として、1)バンドギャップ・軌道エネルギー、2)かさ高い側鎖、3)結晶性などが挙げられる。1)に関しては、高い光電変換効率を示すNFAであるY6やITICのギャップ・軌道エネルギーなどを参考に条件を決定し、2)に関しては、先行研究を参考に適切な側鎖の組み合わせを検討することにした。3)に関しては、分子生成スキームで1)2)の条件を満たす分子候補の中でも特に高い光電変換効率が期待できる分子について、古典分子動力学のアプローチによる検討をしたい。現在候補分子の探索を実施中であり、最終的には、3つの条件を満たすNFAを、合成可能性、コストなどの観点でも検討する。 最終的には、高速に分子生成が可能となるような分子パーツベースの分子生成や大域的な分子探索が可能とするアルゴリズムの導入により、有機薄膜太陽電池の候補分子を自動探索可能なプラットフォームを開発する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
分子生成のアルゴリズムの検討は進んでいるが、実際のアルゴリズムの応用が進んでいない。今後有機薄膜太陽電池のアクセプターの探索を中心に進める。
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Strategy for Future Research Activity |
有機薄膜太陽電池・分子生成に関する情報収集を進め、最も適切なアプローチを選択しながら、有機薄膜太陽電池材料の探索を行い、本検討の加速を試みる。
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Causes of Carryover |
コロナの影響で海外出張が行えない環境が続き、予算の使用計画が遂行できなかった。開学出張を行い、情報収集・成果報告を行う予定。
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